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2023 年度 実施状況報告書

インドネシア多島海の潮汐混合が ENSO に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K03504
研究機関国立研究開発法人水産研究・教育機構

研究代表者

永井 平  国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主任研究員 (60834489)

研究分担者 升本 順夫  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (60222436)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードインドネシア多島海 / 乱流混合 / ENSO
研究実績の概要

本年度は、インドネシア多島海における乱流混合強度分布の高精度推定を目的として解析を実施した。その目的のために、Nagai and Hibiya (2015) の高解像度潮汐モデルから見積もられたM2潮汐の乱流エネルギー散逸率と、2019年2-3月および8月に実施されたインドネシア多島海内での乱流直接観測結果(Nagai et al., 2021)との比較を実施した。その結果、数値実験結果と乱流観測結果との間には相関係数0.76の比較的高い相関があったものの、数値実験は現実よりもおよそ3倍エネルギー散逸率を過大評価してしまう傾向にあることが明らかとなった。特に、内部潮汐波励起源から離れた”far-field”においてモデルの過大評価傾向が顕著になることがわかった。また、観測船のマルチビームソナーから得られた海底地形と数値実験で使用した海底地形(GEBCO)が大きく異なる場所もあり、そのような領域でモデルバイアスが大きくなる傾向にあることがわかった。今後、これらの点を考慮して、再度高解像度潮汐モデルによる計算を実施していく必要がある。また、海洋乱流混合に関わる一般的知見として、海洋深層の内部風下波に関する議論も行なった。駿河トラフを対象とした数値実験および乱流直接観測の結果を解析したところ、日周期の沿岸捕捉波がトラフ内深層で内部風下波を励起し、周辺の乱流混合を著しく強化することが明らかとなった。今後、インドネシア多島海においても内部風下波が乱流混合過程に果たす影響に関して調べていく必要がある。これらの研究成果について、1件の国際学会、および1件の国内シンポジウムで発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度はインドネシア多島海の潮汐モデルを改良し数値シミュレーションまで実施する予定であったが、改良のための解析に予想以上に時間がかかってしまったため、数値シミュレーションの実施が遅れてしまっている。

今後の研究の推進方策

今後は、今年度得られた知見を潮汐モデルに適用し、インドネシア多島海を対象とした潮汐モデル計算を再度実施する予定である。また、これにより得られた鉛直拡散係数の分布をOGCMに適用することで、インドネシア多島海の乱流混合がペルー沖の海面水温に与える影響に関して定量的に議論していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

予定よりも僅かに研究の進捗が遅れてしまったため、大型計算機使用料が余ってしまった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Turbulent Mixing Induced by Diurnal Coastal Trapped Waves Propagating over the Rough Seafloor Topography in the Suruga Trough2023

    • 著者名/発表者名
      Taira Nagai, Toshiyuki Hibiya
    • 学会等名
      International Union of Geodesy and Geophysics (IUGG) General Assembly
    • 国際学会
  • [学会発表] インドネシア多島海の乱流混合に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      永井平
    • 学会等名
      東京大学大気海洋研究所共同利用研究集会

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公開日: 2024-12-25  

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