柔軟圧電ポリマは,電池レス超小型圧力センサ,センサレススマート構造体,振動発電デバイスと して,幅広い産業から注目されている.しかし,強度が低いことや、圧電特性(変形によって発生する電圧量)を高い自由度で制御することが難しいといった課題が,柔軟圧電ポリマの応用範囲を拡大させる上でボトルネックとなっている.本研究では,形状記憶合金細線をコア材,圧電ポリマをクラッド材とするクラッドコア型柔軟圧電複合材MwPC(Metal-wired Piezoelectric Composite)を開発し,その材料物性や機械的特性のアクティブ制御手法を開発する.また,MwPC用の3Dプリンタを開発し,それを用いた複雑形状の柔軟圧電部品の製造に挑む.さらに,MwPC製振動発電デバイスを試作し,その特性をアクティブ制御することで高能率発電を実現する.振動発電デバイスへ適用することで,MwPCおよびその造形技術の応用を明示的に実証し,産業応用を促進する。 柔軟圧電複合材MwPCの材料特性を解明し,それに基づく圧電部品の設計指針を確立するために,本年度は下記について実施した.
(令和5年度)クラッドコア構造を有する柔軟圧電複合材の複合条件の最適化 「コア率e」とポリマの圧電粒子含有量ηが柔軟圧電複合材MwPCの機械的強度および圧電特性に及ぼす影響を複合材の試作・評価実験により明らかとする.また,ジュール発熱によるコア材の変形やそれに伴う圧電特性の変化についても検討した.そn結果、コア率eに依存して機械的強度が大きく変化することが明らかとなった。
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