• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

広範囲の潤滑領域に対応する線接触における転がりトラクション計算式の統合的構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K03640
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

太田 浩之  長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (30233141)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード転がりトラクション / 線接触 / 等粘度-剛体領域 / 高圧粘度-剛体領域 / 弾性流体潤滑領域
研究実績の概要

本研究は,油潤滑下の線接触における等粘度-剛体(IVR)領域,高粘度-剛体(PVR)および弾性流体潤滑(EHL)領域の転がりトラクション(2物体が純転がりするときに油の粘性によって生ずる抵抗)の計算式を統合的に構築することを目的としている.本年度は,市販のソフトウエアTED/CPAによる転がりトラクション計算および二円筒試験機による転がりトラクションの測定を行った.そして,以下の結果を得た.
①測定で得た転がりトラクションの時間平均値FR AVGおよび接触問題解析プログラムTED/CPAによる転がりトラクションFR TED/CPAの計算値は,IVR,PVR領域では荷重Pの増加にともなって増える傾向があるが, EHL領域では荷重Pの影響をほとんど受けない.
②FR TED/CPA の計算値を曲線適合することで,等温条件下の転がりトラクションの計算式FR isoを導出した.さらに,FR isoに熱修正係数を乗ずることで,せん断発熱を考慮した転がりトラクションの計算式FR thermalを導出した.FR thermalの計算値は, IVR,PVRおよびEHL領域の全域でFR AVGの測定値とおおまかに一致する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

今年度は,当初予定していた計画をすべて実行したことに加え,令和7年度に行う予定の転がりトラクションの計算式を前倒しで提示した.さらに,研究結果を国際誌に投稿し,令和6年5月号に掲載が決定されたたことから,「当初の予定以上に進んでいる.」と判断した.

今後の研究の推進方策

今年度,線接触における等粘度-剛体(IVR)領域,高粘度-剛体(PVR)および弾性流体潤滑(EHL)領域の転がりトラクションの計算式を提案した.円筒ころ軸受や円すいころ軸受などは,一般に線接触するとみなされているが,運転中はころのスキューが生ずることが知られている.このようなころのスキューが生じる場合の転がりトラクションを計算するためには,その基礎研究として,スキューした2円筒の転がりトラクションを詳しく解明する必要がある.そこで,次年度以降は,TED/CPAを用いて,スキューした2円筒の等温条件下の転がりトラクションの計算を行う.そして,TED/CPAの結果を曲線適合することで,スキューした2円筒の等温条件下の転がりトラクションの計算式の構築を目指す.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Rolling Traction in Isoviscous-Rigid, Piezoviscous-Rigid, and Elastohydrodynamic Lubrication Regimes at Line Contact2024

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Ohta and Daisuke Matsuyama
    • 雑誌名

      Transactions of the ASME, Journal of Tribology

      巻: 146 ページ: 054101, 1-8

    • DOI

      10.1115/1.4064394

    • 査読あり
  • [学会発表] スキューした二円筒の接触面形状および転がりトラクション2024

    • 著者名/発表者名
      太田浩之,和田 佳己
    • 学会等名
      日本機械学会北陸信越支部 2024 年合同講演会
  • [備考] 長岡技術科学大学 工学課程・専攻(機械工学分野), 機械創造工学課程 機械要素研究室

    • URL

      https://sites.google.com/mech.nagaokaut.ac.jp/ohta-lab

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi