研究課題/領域番号 |
23K03675
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
後藤 知伸 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (00260654)
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研究分担者 |
中井 唱 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (80452548)
松野 隆 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (90432608)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 吸音 / 流体音 / 共鳴器 / エネルギー伝達 / 開口部 |
研究実績の概要 |
共鳴器や空気層を設けた多孔板の吸音性能は,音響インピーダンスを用いて評価される.流路内に開口部に平行な流れ(平行流)があるときや,共鳴器内から開口部を通って流路内に向かう流れ(直交流)があるときには,開口部内の音響による振動流れが開口部端からの剥離流れと干渉するため,音響のみの場合とは流れの様子が異なる.このような場合の音響インピーダンスを,予め推定する技術は未確立である.平行流や直交流と音響が干渉して生じる音響インピーダンスの変化の機構を解明することを目的に研究を行っている. 2次元数値流体解析によって,平行流があるときの共鳴器開口部のインピーダンス,とくにレジスタンスが流れの速度とともにどのように変化するかを調べた.得られた平行流があるときの共鳴器開口部のレジスタンスの流速に対する変化は,従来の研究で得られている傾向とよく一致している.このレジスタンスの変化について,共鳴器開口部の上流側角部からの剥離せん断層と,開口部における振動流れ,および平行流の干渉によって説明するモデルを考えた.(Congress proceedings of Inter-Noise 2023, 1-6-3) また,インピーダンス計測のためによく使用される計測系を模擬した一面がインピーダンス壁である矩形ダクトについて,ダクト内音場の音響モードに対応する伝播定数が流れの速度とともにどのように推移するかを数値的に求めた.ダクト内の音響モードの複素波数(伝播定数)は,インピーダンスや流れとともに複雑に変化する.インピーダンスの値によっては,2つの低次モードの減衰量が同等になるため,モードが混在した音場になることが予想される.また,多くの場合,追い風の減衰量は向かい風の減衰量に比べて小さいが,逆転する条件になることもありうる.(Congress proceedings of Inter-Noise 2023, 1-4-6)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共鳴器開口部のレジスタンスの流速に対する変化について,数値解析では,従来の研究と矛盾しない結果が得られており,得られた流れ場のデータを用いて音響インピーダンスの変化の機構を考察することのできる材料が得られた.
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今後の研究の推進方策 |
共鳴器開口部の音響インピーダンスの変化については,音響実験や可視化実験を進め,数値計算結果との対比により音響インピーダンスの変化の機構を解明していく. 矩形ダクト内の音響モードの変化については,対応する数値解析結果をモードの重ね合わせとして表すことにより,卓越したモードが流れとともにどのように変化するかを調べる. さらに,渦と,音響による振動流れ,時間平均流れの干渉によって生じるものと考えられる吸音現象をなるべく単純に表すことのできる系を想定し,実験,数値解析の両面から音響と流体のエネルギーの授受の機構について調べていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
共用スペースの使用料や現有計算用ソフトウェアのメンテナンス料金が必要であったため,導入する予定であった計算用のワークステーションの購入を行わなかった. 次年度は実験装置の一部製作などに助成金を充てる予定である.
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