研究課題/領域番号 |
23K03676
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宗像 瑞恵 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (30264279)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 液膜流れ / 回転円板 / 速度計測 / 流体計測 / 濡れ性 |
研究実績の概要 |
定常回転時(500rpmおよび1000rpmで)に回転円板中心から定常滴下して広がる1㎜以下の薄液膜流れのPTV計測を行い、バルク速度の分布を明らかにし、円板回転によるコリオリ力の作用による周方向速度成分を検出することができた。また、高速に流れる表面波の流れを捉え、絶対空間に定在する表面波であり、ノズル吐出流れの依存性が高い表面波であることが予想できる。 また、静止円板上に広がる異種液流れの数値解析や実験を行い、類似した物性の液でも円板に広げる工程の時間スケールでは拡散の影響が無視できる影響が小さいことを示した。類似物性をもつ異種液としてフォトレジストとシンナーで解析したところ、界面形状は吐出する順番により異なり、フォトレジストはシンナーより密度が大きいため,吐出した流れが衝突する位置付近のフォトレジストのみの液膜厚さはシンナーにレジストを吐出した場合のほうが厚くなり、密度の違いの影響が液液界面の構造に影響することを明らかにした。また、吐出した時点での液膜厚さの分布が乾燥後の膜厚分布に影響を及ぼしていることも乾燥後の膜厚分布の結果と比較して類似性が高いことから明らかになった。 回転円板上の気流の境界層流れ場を明らかにするために感圧塗料や感温塗料の使用を検討しているが、非定常計測に適する計測手法を試行し、酸化チタンを混入させた感圧塗料の塗布により、回転物体でも発光強度を増して撮影することが可能となり、今後、回転円板で試行する予定にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ガラス基板を吸着させて回転させる装置の製作のための準備と製作会社との調整に時間がかかり、裏面からの計測試行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
回転円板装置の製作検討を製作会社と行い、装置の製作を加速化する。課題解決に問題が生じれば、現有装置の改良での検討も視野に入れて、研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ガラス基板を吸着する装置の製作準備に時間を要し、また、製作費用の高騰により、製作企業との予算の調整が難航し、本年度での製作を見送ることになった。次年度は製作メーカーとの調整を早め、上半期中に製作完了して実験できるように計画している。
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