研究課題/領域番号 |
23K03725
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
花島 直彦 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (40261383)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 1/2サイズ試作機 / 展開脚機構 / 螺旋回転機構 |
研究実績の概要 |
本研究は,ヨシなどの丈長植物が密生している低層湿原や,茎が硬い笹が繁茂する藪において,植物を踏み倒さずに移動するための,新しい機構の提案と実証を目的としており,泥濘地への沈下を防ぐ展開脚と,植物を縫って進む螺旋機構を組み合わせた構成となっている.本研究課題は4年間に,(1) 1/2サイズ試作機の製作,(2)制御系の構築,(3)実証実験およびシミュレーションの順に研究を進める計画である.2023年度は,(1)試作機の製作を進め,展開脚および螺旋回転機構の設計計算や設計・試作を行った.そのため,試作機設計のための力学的なデータの取得を,実験候補地である笹薮で行った. 試作の詳細であるが,展開脚機構は傘を逆さにした構造で,ランナーに荷重すると展開し,持ち上げると閉じる動作をする.地面にあたる先端部は円錐コーン形状とするが,その直径が太いと草を押し潰し,細いと地面に沈下するリスクが増す.そこで,笹薮にて草密度測定実験を行い,統計解析により先端部の形状を設計した.また,展開脚機構を上下するために5節リンク機構を採用し,静力学解析により,リンク長やモータトルクの設計を行った.2024年度はこれを具体化する予定である. 螺旋回転機構は螺旋を掴んで,弦巻線の接線方向に送る動作が必要となる.掴む動作を回転ピン機構で実現し,送り動作はモータの回転で行うこととした.こちらは試作を行ったが,把持力が不足して螺旋の回転には至らなかったため,問題点を洗い出し,改善する予定である.また,螺旋回転機構は,未使用時には上に引き上げて,本体に格納しておく必要がある.そのための昇降機構も試作し,こちらは動作試験により必要な駆動力が得られることを確認した. 2023年度の研究成果により,1/2サイズ試作機を製作するための知見が積み上げられ,研究目標の達成に近づくことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では1/2サイズ試作機の製作を2023年度中に行い,2024年度には制御系の構築に着手する予定であった.しかしながら,試作機の設計の手戻りが多く,想定以上に時間がかかっており,製作になかなか着手できない状態にあった.このことから,計画よりも進捗が遅れている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度も引き続き1/2サイズ試作機の設計と製作を進める. 当初の計画では,2024年度は制御構築を行い,屋内での実験を行う予定であった.制御構築においては,2023年度に駆動回路やパソコン接続が容易なモータを選定したため,制御構築にはそれほど時間がかからないと考えている.屋内実験については,模擬笹薮を作成するなど,2023年度中に環境整備に着手している.また,2024年度に計画していた,動力学シミュレーション環境の整備については,2025年度に先送りしても,その後の計画に影響が少ない. 以上のような状況のため,2024年度も試作機の詳細設計に力をいれて取り組むこととする.
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に製作する予定だった1/2試作機の設計が想定以上に時間がかかったため,部品や材料,モータの選定が進められず,2023年度に残金が生じたためである.2024年度に詳細設計を済ませられれば,2023年度に購入予定だった物品の購入を2024年度に進められると考えている.
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