現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
深層学習再構成における複素画像への対応では,我々が提案する原点対称信号サンプリングを利用した.この方法は,複素画像の実部と虚部に対するMR信号を計算できるので,実部像と虚部像を実関数CNNを使用して再構成できる利点がある.深層学習再構成には,モデルベース型のADMM-CSNetと画像間学習のU―Netの2通りの方法を採用し,2通りの複素数対応CNNと比較した.複素数対応CNNは複素畳み込み積分を行うComplexCNN,および画像の絶対値と位相を推定する方法を採用した.その結果,全ての信号収集比の場合で,提案する方法において最も高いPSNRが得られた.信号収集比が少ない(20%)の場合では,U-Netが,信号収集数比が30%以上になると,ADMM-CSNetにおいて高いPSNRが得られた. CNNは特徴を学習することができるが,予め画像を特徴別に分類した上で学習すると学習効率が高まることが期待できる. そこで信号空間での周波数の分解能を持ちながら, 画像特徴別に展開された多重解像度解析(eFREBAS変換)を利用した再構成法を考えた.eFREBAS変換は,サイズが等しい多重解像度画像への変換であり, また, Wavelet 変換のように分割数が2のべき乗という制限がなく, かつ複素変換であるという特徴を持つ.その結果,スパース化空間で行う学習と画像空間で行う学習をカスケード接続する方法により,提案法は単体のCNNよりも高いPSNRを得ることができ,画質改善の可能性が示された.
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