研究課題/領域番号 |
23K03916
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
大石 泰章 南山大学, 理工学部, 教授 (80272392)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | スパース制御 / 最適制御 / 無限地平 / 動的計画法 / モデル予測制御 / 目的関数 |
研究実績の概要 |
本年度は,研究の最初の年度として研究の基盤づくりを目指し,無限地平における離散時間のスパース制御について理論的解析を行った.すなわち,Nagahara-Quevedo-Nesicによるスパース制御の標準的な目的関数を使って無限地平の最適制御問題を考え,その最適入力がある有限地平の最適制御問題を解くことで得られることを示した.これは,無限地平の最適入力を考えるときは,ある時刻以降は零の入力のみを考えればよいという一種のスパース性から得られる結果である.零の入力が許されるためには制御対象の反安定部分の状態は零でなくてはならないので,はじめから反安定部分のみに着目して,終端時刻で状態が零になるという有限地平の問題を考えれば,その最適入力に零を追加することで,無限地平の最適入力が得られる.以上は,目的関数が入力のみを含むというNagaharaらの枠組みの特殊性を利用したものといえる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Nagaharaらの目的関数を使った無限地平の最適制御問題を考え,その最適入力をモデル予測制御方式で生成するための,重要な理論的手がかりを得た.次年度以降の研究はこれを基盤に発展させればよいと考えており,研究は順調に進行している.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,これまでの研究成果をもとにして,有限地平の問題を繰り返し解くモデル予測制御の方式で,無限地平の最適入力を得ることを考える.モデル予測制御は閉ループ制御であるので,以上の問題を考えることは,最適なスパース制御が閉ループ制御で実現できるのか,という問いに答えることにもなる.また,Nagaharaらのものよりも一般的な,状態を含む目的関数を使う場合について,これまでと同様の結果が得られるかどうか検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)今年度は理論的解析を優先したため,学会や学術雑誌での発表は予定よりも遅れている.学会発表のための参加費や旅費,学術雑誌の掲載料などは次年度に繰り越すことにした.また,計算機実験も一部次年度に行うことにしたため,計算機の購入費用を繰り越している. (使用計画)次年度使用額は学会参加費,旅費,論文掲載料,および計算機購入費に充当する.それ以外に計画に変更はない.
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