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2023 年度 実施状況報告書

不連続面群の時空間マルチスケール動力学と断層系の破壊進展

研究課題

研究課題/領域番号 23K04021
研究機関東京大学

研究代表者

上西 幸司  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (60311776)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード連動型地震 / 高周波動 / 動力学 / 破壊力学 / 防災
研究実績の概要

令和4年3月福島県沖地震は観測された本震の揺れの継続時間が非常に長く、構造物に大きな被害をもたらした。この福島県沖地震は連動型地震であったと考えられるが、連動型地震の発生機構については、複雑さゆえ未だ明らかになっていない。ここでは、断層面や節理面等の地質学的不連続面の動力学に関し行ってきた研究代表者の研究をさらに推し進め、続発性地震や連動型地震、不連続面群(断層系)破壊の時空間的複雑性について検討し、その影響の多様性を定量的に評価することを目的としている。より具体的には、複数の震源領域が複雑に破壊していく連動型地震を起こしうる多数の不連続面群を一体的な断層系とみなし、断層系の集団的なふるまいと個々の不連続面の動力学の関わりについて、時空間マルチスケール理論・数値解析及びデジタル技術を駆使した高精度の室内断層系破壊実験を行う。研究初年度の令和5年度は、既導入の高速度カメラ系の性能向上を主とした破壊実験システムの改良を行い、より高精度での破壊観察をデジタル制御により実現し、不連続面群の動力学の実験的解明に努めた。震源の浅い、いわゆる「直下型地震」体験者の証言の多くから存在が示唆されているが、地震計の計測範囲外であるため検出が非常に困難な地震高周波動の発生について英文雑誌で発表を行った他、途中経過の形ではあるが、地震動と津波の大きさが異なる「津波地震」や海震の発生原因となりうる不連続面破壊連動現象について日本地震学会秋季大会において公表している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、衝撃的な破壊の実験に必須となる高速度撮影システムの拡張を実施し、着実に研究を推進している。また、新型コロナウイルス感染症の影響もまだ少なからず残っていたが、オンライン開催の国際会議における発表(対応する論文は現在査読中)の他、英文論文の形でも研究成果を公表している。

今後の研究の推進方策

本科学研究費助成事業の中間年度である令和6年度は、複屈折性脆性材料を用いた室内モデル実験等を推し進め、複数の高速度カメラをも駆使することにより本格的なマルチスケール観察を行う予定である。研究成果に関しても、オンライン・ハイブリッド開催のものなども含め随時国内外で公表していく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Towards Detecting the Strong Vertical Shock Induced by a Shallow Earthquake2024

    • 著者名/発表者名
      Uenishi, K.
    • 雑誌名

      Procedia Structural Integrity

      巻: 54 ページ: 67~74

    • DOI

      10.1016/j.prostr.2024.01.057

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] On Cavitation, Shock Waves, and Generation of Seaquakes2023

    • 著者名/発表者名
      Uenishi, K.
    • 学会等名
      2023 Seismological Society of Japan Fall Meeting
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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