• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

泥炭地盤における安定問題の新体系に向けて:超高速一軸圧縮試験機の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K04035
研究機関秋田工業高等専門学校

研究代表者

山添 誠隆  秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60760238)

研究分担者 西村 聡  北海道大学, 公共政策学連携研究部, 教授 (70470127)
荻野 俊寛  秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (80312693)
田中 将樹  秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60353231)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード泥炭 / 一軸圧縮試験 / 非排水せん断強さ
研究実績の概要

本研究の目的は、初期透水性が高い泥炭であっても試験中の体積変化を許さない超高速一軸試験機を開発すること、および、開発した試験機を用いて泥炭の応力ひずみ関係および破壊強度を明らかにすることである。そのために実施した2023年度の研究成果は次のとおりである。
(1)秋田高専のロボットコンテスト部(以下ロボコン部)の協力を得て新たに超高速一軸試験機を開発した。この試験機は動力部にギアードDCモーターを採用し、モーターの回転運動をラック&ピニオンで一軸方向に圧縮する直線運動に変換することで、最大で1000%の軸ひずみ速度を実現した。
(2)北海道内で採取された不攪乱泥炭試料に対して,軸ひずみ速度を0.1, 1, 10, 100, 1000%/minに変化させた一軸圧縮試験を実施した。試験中,供試体の変形挙動をデジタルカメラで撮影した。PIV解析(粒子画像流速測定法)を用いて撮影された画像を解析し,供試体の体積変化(体積ひずみ)を求めた。
(3)実験結果よりひずみ速度が100%/min以上になると体積ひずみがほぼゼロとなり非排水条件が満たされること,また応力ひずみ関係に明確なピーク強度が現れ,すべり面が形成され破壊する様子が観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に記載したとおり、試験機の製作はロボコン部のオフシーズンに限定されるため、申請年度に当たる2022年度後半から一部製作作業を前倒しして実施した。そのため,試験機の製作は順調に進み、2023年の後半にはデモ機が完成し、動作検証とダミー供試体を用いた模擬実験を開始した。また、2024年度から実施する予定であった不攪乱泥炭試料を用いた実験にも着手した。ただし、試験機のガイド装置には一部改善の余地があること、および、圧縮力の最大容量を高めるために高トルクモーターへの切り替えが必要である点から、進捗状況としては上記の区分にあると判断した。

今後の研究の推進方策

次年度についても、研究代表者が中心となり、基本的には当初の研究計画に沿って研究を遂行する。2023年度の夏に北海道内で不攪乱泥炭試料を採取した。2024年度はこの試料を用いて2023年度と同様の試験を行い、得られた試験結果の再現性を評価する。また、粘土供試体についても泥炭と同じような試験の実施を計画しており、泥炭との相違を明らかにする。一軸圧縮試験前に供試体のサクションの測定を行うことにより乱れの影響を定量的に評価する。

次年度使用額が生じた理由

2023年度に製作した試験機はデモ機の位置付けで廉価な部品を使用したことや、3Dプリンターを借用することができたため物品費を抑えることができた。また、研究打ち合わせにWeb会議システムを多用し旅費を削減した他、試験機の製作が順調に進展したことで人件費・謝金を抑制できた。ただし、上記したように、現行の試験機はデモ機であり、性能・安定性および汎用性をより高めるためにはいくつかの改善点があり、今後、試験機のバージョンアップが必要である。残金はこのために必要な機械要素の購入費や、製作のための人件費にあてる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 泥炭の一軸圧縮強さに及ぼすひずみ速度の影響2024

    • 著者名/発表者名
      山添誠隆,田中洋行,西村聡,荻野俊寛,田中将樹,保坂真志,佐藤優貴也,鈴木巧都
    • 学会等名
      第64号 地盤工学会北海道支部 技術報告集

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi