研究課題/領域番号 |
23K04080
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
元田 良孝 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (60305331)
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研究分担者 |
宇佐美 誠史 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (00404830)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 視覚障害者 / 盲導犬 / 交通行動 |
研究実績の概要 |
2023年度は盲導犬と育成システムに関する情報収集を中心に研究を行った。盲導犬育成団体は全国で11あるがこの内公益財団法人日本盲導犬協会、公益財団法人アイメイト協会、社会福祉法人中部盲導犬協会、公益財団法人関西盲導犬協会、社会福祉法人日本ライトハウスを訪問し、盲導犬育成システム及び盲導犬と交通の関係についてヒアリングを行った。公益財団法人日本盲導犬協会、公益財団法人アイメイト協会では訓練に複数回同行し、訓練の状況や盲導犬利用者の行動等をビデオ観察した。盲導犬育成システムと盲導犬利用者の行動については2023年11月開催の第68回土木計画学研究発表会で「盲導犬と交通に関する研究の課題」と題する発表を行った。
盲導犬利用者の交通行動を調査するため、盲導犬利用者4名のヒアリング調査を行った。この結果盲導犬を利用すると一般に外出の機会が増え、歩行速度が速くなり、白杖利用では行けない点字ブロックの無い場所も行けることが分かった。一方夏期は路面が熱くなり盲導犬にとって厳しい状況になり、利用を控えることも明らかとなった。入店拒否やタクシーの乗車拒否も依然として無くなっていない。この結果は2024年度に行うアンケート調査企画に役立てる予定である。
盲導犬育成団体以外では、警察庁交通局交通企画課、厚生労働省社会・援護局自立支援振興室、日本補助犬情報センターを訪問し関連情報を収集した。2023年度の情報収集により視覚障害者の盲導犬利用者と非利用者の定性的な交通行動の差を把握できた。また盲導犬育成システムの抱える課題も理解することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に盲導犬利用者のビデオ観測による行動調査を実施する予定であったが、当初協力が得られると考えていた盲導犬育成団体が難色を示したため、代わりの協力団体を探すことに時間がかかり年度内に実施できなかった。新たに協力をしていただける団体を見つけることが出来たので、2024年度に実施する予定である。その他、盲導犬に関する情報収集やアンケート調査は当初の計画通り実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、当初計画通り盲導犬利用者と非利用者の交通行動に関するアンケート調査を行う。これに加え2023年度実施しなかった盲導犬と盲導犬利用者のビデオ観測による行動調査を行う。更に盲導犬について広く情報収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度予定した盲導犬と盲導犬利用者のビデオ観測による行動調査の協力を内諾していただいていた盲導犬育成団体が業務多忙を理由に途中から難色を示したため、代わりの盲導犬育成団体を探すのに時間がかかり、延期せざるを得なかった。当該調査では別の協力団体を見つけることが出来たため2024年度に実施予定である。
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