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2023 年度 実施状況報告書

消毒副生成物による細胞周期異常誘発の機序解明と高感度長期毒性評価法としての提案

研究課題

研究課題/領域番号 23K04093
研究機関静岡県立大学

研究代表者

小牧 裕佳子  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (40811617)

研究分担者 伊吹 裕子  静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (30236781)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード消毒副生成物 / ハロアセトニトリル類 / 細胞周期 / ハロゲン置換
研究実績の概要

水系感染症予防のために行われる消毒処理は、副次的に消毒副生成物という物質群を生成する。消毒処理は必ず行われるため消毒副生成物は水道水中に常に存在し、ヒトへの曝露は生涯に渡る。消毒副生成物への曝露は膀胱がん・妊娠不良などの健康リスク増加に寄与すると疫学調査で示されている。しかし、疫学調査の事象を実験系で証明することはできておらず、疫学調査の事象を反映するエンドポイントとして、本研究では細胞周期に着目している。これまで消毒副生成物のクロロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル、ヨードアセトニトリルがチャイニーズハムスター卵巣細胞に通常の倍量相当のDNA量を蓄積させ、高倍数体化を誘導することを見出している。この細胞周期攪乱がほかの消毒副生成物でも起こりうるのかを検証するために、様々なハロアセトニトリル類を用いて高倍数体化が起こるのかを調べた。興味深いことに、ハロゲン一置換体であるクロロ、ブロモ、ヨードアセトニトリルでは8nのDNAを持つ細胞が多く見られたが、ハロゲン二置換体のジクロロアセトニトリル、ジブロモアセトニトリル、また、三置換体のトリクロロアセトニトリルでは8n体は誘導されなかった。DNA二本鎖切断誘導剤であるブレオマイシンおよびピリミジンダイマーを誘導するUVを用いて細胞周期変化を測定したところ、8n体の誘導が観察されなかったため、ハロゲン一置換体ハロアセトニトリル類による8n体誘導にはDNA損傷以外の機構が関与している可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

多種消毒副生成物での細胞周期異常評価に関しては一定の結果が得られた。他の実験計画の項目についても既に予備実験を開始しており、おおむね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

ハロアセトニトリル類による高倍数体化誘導が染色体異常と関連するかを検討するために染色体標本作製のプロトコルを立ち上げている。

次年度使用額が生じた理由

申請者が産前産後休業・育児休業により研究から離れている時期があった。学生指導は継続して行っていたため研究費の中断は申請しなかったが、申請者本人の学会参加が出来ず、申請者本人が実験業務から離れていた時期もあったため、予定よりも使用額が少なくなってしまった。今年度は予備実験の段階にある実験を進め、成果発表も精力的に行っていく予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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