研究課題/領域番号 |
23K04132
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研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
研究代表者 |
鹿毛 忠継 国立研究開発法人建築研究所, 材料研究グループ, シニアフェロー (30370745)
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研究分担者 |
松沢 晃一 国立研究開発法人建築研究所, 材料研究グループ, 主任研究員 (20534051)
中田 清史 国立研究開発法人建築研究所, 材料研究グループ, 研究員 (40848941)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | CO2排出量 / 結合材 / コンクリート / 強度発現性 / 耐久性(中性化) / 混合セメント |
研究実績の概要 |
本年度は普通ポルトランドセメント(OPC)の使用量の削減やOPC代替の結合材をコンクリートに使用した場合のCO2削減量について試算し、このコンクリートの品質が現行の日本建築学会鉄筋コンクリート(RC)造構造計算規準やRC工事標準仕様書等の設計規準や標準仕様、ならびに建築基準法や品確法で要求される技術基準を満足させられるのかを検討した。 結果として、高炉セメントの場合は、OPC量17.5~245kg/m3(約13~187kg-CO2)削減、フライアッシュの場合は、OPC量17.5~105kg/m3(約13~80kg-CO2)の削減、品確法においてW/Cを5%増加させるとセメント量は27~51kg/m3(約20~39kg-CO2)の削減、コンクリートの呼び強度のランクを1つ下げるとセメント量は16~29kg/m3(約12~22kg-CO2)削減されることがわかった。 一方、混合セメントなどCO2削減に寄与する結合材を用いたコンクリートは、促進試験においてOPCを用いた場合より中性化の進行が速く、建築の上部構造で使用されることが少なく、実環境下における中性化特性や鉄筋腐食に関しても不明な点も多い。 そこで、OPC代替の結合材を使用したコンクリートの強度発現性の確認と促進耐久性試験(長期強度、中性化など)と実環境下でのばくろ試験(環境条件の異なる3か所(つくば、北海道、沖縄を予定)における長期ばくろ試験)のために、対象とする結合材の選定、材料準備、実験計画の立案および試験体作製を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、普通ポルトランドセメント(OPC)の使用量の削減やOPC代替の結合材をコンクリートに使用した場合のCO2削減量について試算し、このコンクリートの品質が現行の日本建築学会鉄筋コンクリート(RC)造構造計算規準やRC工事標準仕様書等の設計規準や標準仕様、ならびに建築基準法や品確法で要求される技術基準を満足させられるのかを検討することができた。また、混合セメントなどCO2削減に寄与する結合材を用いたコンクリートによる検証試験については、弊所施設の改修等により実施時期が遅れたが、OPC代替の結合材を使用したコンクリートの強度発現性の確認と促進耐久性試験のために、対象とする結合材の選定、材料準備、実験計画の立案および試験体作製等を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、コンクリートの力学特性(強度発現、長期強度)や耐久性(中性化)に及ぼす普通ポルトランドセメント(OPC)の使用量と材料・調合の影響と耐久性を確保するための仕様について、室内試験(促進耐久性試験を含む)とばくろ試験による検証を行い、OPC使用量の削減やOPCに代わる結合材をコンクリートに使用した場合のCO2削減量やCO2吸収量などとコンクリートの要求性能との関係について考察する。
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