研究課題/領域番号 |
23K04219
|
研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
市川 秀和 福井工業大学, 工学部, 教授 (60293411)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
キーワード | 五十嵐直雄 / ローカル・アーキテクト / モダニズム建築 / 戦後建築 / 福井県 / 建築論の京都学派 / 高木相良 / RC造社寺建築 |
研究実績の概要 |
研究課題「戦後福井の五十嵐直雄にみるローカル・アーキテクト像に関する建築論的研究」の初年度の研究成果は、ご遺族より五十嵐の遺された建築図面・スケッチ・ノート・書籍等が新たに提供されたことから、その整理分析に着手することが出来た。この整理作業に当たって参考となる書籍を購入するとともに、具体的な成果の公表は、来年度以降に学会発表や論文投稿、講演会等で行う予定である。また五十嵐直雄の調査研究を含む地元福井で進めてきた建築論研究活動が10年目を迎えたことから、これまでの幅広い活動内容(講演会・シンポジウム、見学会など)を以下の小冊子に取り纏めた。 『「建築論の京都学派」の地域的展開 -福井の地から建築史・建築論を考える- 10周年記念誌(2013~2022)』福井工業大学市川研究室編 さらに福井市歴史のみえるまちづくり協会発行「ふくい歴史マップ」には、これまでの五十嵐直雄と福井神社に関する調査研究が取り入れられ、北陸新幹線の福井開通によって賑わう福井市中心部の観光やまちづくりに貢献することが出来たと考えている。 そのほかローカル・アーキテクト像のイメージや概念を検証するために、福井県内において五十嵐直雄の建築制作と対照的な高木相良を新たに発掘し、そのご遺族からRC造社寺建築の膨大な図面資料が新たに提供された。この高木資料の整理分析と五十嵐との比較考察などについては、来年度からの実施予定である。以上のように初年度の研究実施計画に沿って進めているものの、新たな資料提供による新たな課題も続出してきたことから、本研究課題は多少遅れていることもあって、研究経費を計画通り使えなかったことを付記する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の研究実績の概要で詳述したように、本研究課題の当初の初年度実施計画に沿って進めて来たものの、想定外の膨大な新しい資料提供等があったために、その整理分析も必要となってきたことから、やや遅れていることを正直に報告する。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、当初の実施計画を基本とすることに変わりなく、ただ予想外の新たな資料提供が初年度にあったことから、やや遅れてしまったものの、今後の研究遂行を順調に行うことが出来るように、必要な時間を十分に確保しつつ進め方も工夫していきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の実施計画にない予想外の新資料の提供があったことから、やむを得ず研究活動がやや遅れたために予算を全て使い切れなかったことに拠る。次年度は、その新資料の成果をまとめる予算も含めた使用計画で進めていく。
|