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2023 年度 実施状況報告書

非ガウス過程の極値統計理論に基づく船体全域にわたる応力評価手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K04257
研究機関国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所

研究代表者

松井 貞興  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 主任研究員 (60734225)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード波浪中船体応答 / 統計予測 / 非ガウス過程 / RTP法
研究実績の概要

波浪荷重の非線形影響を考慮した船体応答の実用的な極値統計予測手法として、新たにRTP(RAO-Based Translation Process)法を提案し、数値実験を通して波浪断面力(縦曲げモーメント等)に対する有効性を確認した。本手法は波高依存のRAO(応答関数)を使用して与えられた波スペクトル下の非線形応答の短期超過確率分布を近似的にえることができる簡易推定法で、長期予測への適用性に優れる。同手法の論文はJMST(Journal of Marine Science and Technology)に投稿し、受理されている。さらに、同手法を非線形roll運動に適用した論文を国際学会OMAE2024で発表予定である。
さらに、狭帯域の応答にしか適用することができないというRTP法の欠点を補った、非狭帯域(多峰)応答に対しても適用可能なEnhanced RTP法を考案し、波浪中船体構造に生じる応力の短期分布に対しても適用可能であることを確認した。ERTP法に関する論文はJMSTに投稿し、査読中である。本手法は従来の船舶構造設計で用いられる代表荷重である等価設計波を選定する必要が無いため、今後の船舶構造設計の評価手順を変えうるポテンシャルを有すると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

概要にて示した、非線形統計予測手法(RTP法並びにその拡張手法であるERTP法)の考案および構築が想定よりも早く、かつその適用性が十分に高かったため、研究成果および論文執筆が極めて迅速であった。2023年度の成果は以下のとおりである。
・英文ジャーナル(JMST)2本(1本は受理済&公開、1本は査読中)
・国際学会(OMAE2024)1本(査読後受理、2024年6月に発表予定)
・国内学会(JASNAOE)2本(2023/11に発表済み、2024/05に発表予定)

今後の研究の推進方策

今後はRTP法の他の非線形応答に対する適用性の検討と、過去に考案した非線形相当応力(von-Mises応力など)に対する統計予測手法との組み合わせについて検討する。

次年度使用額が生じた理由

支払予定の非常勤職員の賃金で月の支払額に8万円では不足が生じ、他の研究費で賄ったため。繰り越し金の8万円は引き続き非常勤職員賃金に充当予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] RAO-based translation process for estimating extreme value distribution of nonlinear ship response in irregular waves2023

    • 著者名/発表者名
      Matsui Sadaoki、Oka Masayoshi
    • 雑誌名

      Journal of Marine Science and Technology

      巻: 29 ページ: 83~92

    • DOI

      10.1007/s00773-023-00973-2

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] RTP法:狭帯域非線形過程の極値分布の実用推定法2023

    • 著者名/発表者名
      松井貞興
    • 学会等名
      令和5年 日本船舶海洋工学会 秋季講演会

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公開日: 2024-12-25  

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