研究課題/領域番号 |
23K04258
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
村上 睦尚 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 上席研究員 (90392688)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 極限波浪 / 線形荷重構造一貫解析 / 工作精度 / 初期不整 / ブロック工作精度 |
研究実績の概要 |
2023年度は、①「船体崩壊強度の数値計算及び推定手法の確立」を目的に、次に述べる2小項目について研究を実施した。 ①-1)「折損(船体崩壊)を対象に極限波浪条件を特定する手法の提案」においては、大きさの異なるコンテナ船2隻、バルクキャリア2隻、タンカー1隻を対象に線形荷重-線形構造一貫解析を実施し、支配的な波長、波向きを抽出し、極限波浪(船舶が100年に1度遭遇する(船舶の使用期間を25年とすると4隻の内1隻が1度遭遇する)程度の波条件)となる波高を特定した。 ①-2)「初期不整、工作精度等の調査及びモデル化」においては、造船所のドック内に設置されている総組ブロックを対象にマニュアルで写真撮影を行い、SfM(Structure from Motion)を適用し3D形状を生成し、必要な3D形状生成精度を確保できる位置、写角、枚数等を調査し、撮影要領を作成した。骨部材などの特徴のある領域については精度よく3D形状生成が可能となった。写角の不足する箇所や鏡面(外板塗装済)領域については形状生成に課題が残った。また、全船FEMモデルから搭載ブロックモデルを作成し、位置決め及び連結を再現できる要素及び解析手法を開発し、その有効性を確認した。更に、搭載シミュレーターのプロトタイプを作成した。これにより、ブロック製造誤差と位置決め(ピース・ジャッキ等による強制的な補強材・パネルの位置合わせ)により発生する応力等を表現することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は想定していなかった位置決め及び連結を再現できる要素及び解析手法を開発の必要性、搭載シミュレーターのプロトタイプを作成し有効性を確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
3D形状生成に必要な写真撮影の自動化を行うと共に、3D形状生成精度の向上を行う。また、開発した搭載シミュレータを適用し建造誤差、初期不整を有した構造解析用全船モデルを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)ブロック製造誤差と位置決め(ピース・ジャッキ等による強制的な補強材・パネルの位置合わせ)により発生する応力等を表現することが可能な搭載ブロックの3D生成精度を確保する写真撮影容量の確定する必要がでてきため、全船FEMモデルから搭載ブロックモデルを作成し、位置決め及び連結を再現できる要素及び解析手法の開発を優先した。そのため、カメラ付きドローンの入手を見送った。 (使用計画)2024年に入ったら、早い段階でカメラ付きドローンを入手し、その有効性を確認することとする。
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