研究課題/領域番号 |
23K04282
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
小坂 浩之 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 上席研究員 (90349225)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 貿易統計 / 国際輸送 / データベース |
研究実績の概要 |
国際貿易の特異事象によって生じるロジスティクスの断絶・遅延、サプライチェーンのリスク増大等を解析する際、精度の高いデータが必要となる。国際貿易の解析には、貿易統計と輸送機関統計の利用が必須であるが、特異事象のデータには、欠損値、異常値、不整合等が生じる可能性が高く、データの精度に問題を持つ。本研究は、貿易統計に存在する問題の修正技術に加え、貿易統計と輸送機関統計の統合技術を開発することを目的にする。また、開発した技術に基づく国際貿易のデータベースを作成し、特異事象が国際貿易のサプライチェーンに与えた事後評価と、その結果に基づく事前評価システムの開発を行う。 令和5年度は、本研究の基礎データとなる国連貿易統計の最新の動向を調査した。近年の国連貿易統計は、即時性の向上の観点から、リアルタイムで得られる船舶のAutomatic Identification System(AIS)データとの関連性の分析が進められている。本研究は、国連貿易統計の貨物流動データとAISデータによる船舶の移動データの比較を行った。その結果、集計的な値では、両データの一致性が確認できることを把握した。船舶の月別や週別等のより詳細な移動データでは、貿易統計との乖離が生じる。この点をさらに詳細に検討するため、国際貿易の詳細データであるManifestデータの整備を進めた。入手したManifestデータでは、個別船舶の特定や積載貨物量の把握が可能であるが、品目分類や貨物単位に特異性があるため、それらの標準化等によって貿易統計の精度に関する解析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎データの整備と解析を行い、研究を着実に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、貿易統計と輸送機関統計の統合に向けた解析技術開発を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度以降に詳細貿易データを購入することを想定し、本年度は部分的なデータの購入を行った。次年度以降では、対象国等を増加させて貿易統計データを購入する予定である。
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