研究課題/領域番号 |
23K04312
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
石橋 基範 日本大学, 生産工学部, 教授 (50739034)
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研究分担者 |
吉田 典正 日本大学, 生産工学部, 教授 (70277846)
井上 大成 日本大学, 生産工学部, 助手 (50980231)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 注意配分能力 / 反応時間 / 直線描画タスク / 認知特性 / 人間工学 |
研究実績の概要 |
本年度は、「直線描画タスクにおける引かれた直線と模擬運転時の左右への注意配分能力の関係性」を調べるため、直線描画タスクおよび右折時を想定した左右への注意配分能力を測定する反応課題の2つの実験 (N=40) を行った。また、検討に当たって予備実験 (N=12) の結果を用いて実験条件を設定した。右折時を想定した反応課題では、画面を左右2分割した領域のそれぞれに刺激を提示し、刺激があった場合には各領域に対応するボタンを実験参加者に押してもらった。刺激の提示時間について700ms、500ms、300ms、200ms、100msの5条件で予備実験を行い、300msの場合が最も個人差が見られたため、300msを提示時間として設定した。直線描画タスクでは、引く線の角度が一定になるような点群を新しく生成し、予備実験により反応時間と関係があることを確認し、実験に用いた。本年度の主たる成果を次に述べる. ・右折時を想定した左右への注意配分能力を測定する反応課題の実験用ソフトウェアを、Unityを用いて作成した。 ・左側領域 (単純反応課題) の反応時間のばらつきの大きさと、同一点群に基づいて3回線を引いた際のばらつきの大きさとの間に正の相関関係があることを明らかにした。 ・反応課題全体のエラー数と同一点群に基づいて3回線を引いた際のばらつきの大きさとの間に正の相関関係があることを明らかにした。 これらの結果から、直線描画タスクの結果から反応時間のばらつきおよびエラー数を予測できる可能性があることを示唆できた。一方で右側領域の反応時間については相関関係が見られなかったため、今後検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の主たる目的としていた「直線描画タスクにおける引かれた直線と左右への注意配分能力の関係性」について、40名を対象に実験を行い、直線描画タスクの結果から反応時間のばらつきおよびエラー数を予測できる可能性があることを示唆でき、概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は当初の計画通り、「眼球運動(視線移動)と左右への注意配分能力の関係性」を検討する。実験用ソフトウェアを,視線情報を取得できるように改良する.その後,直線描画タスクと注意配分能力検査を実施し,注意配分が苦手な人の視線移動の特徴や視線移動の特徴と線の引き方の関係性などについて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、購入予定であった視線追跡装置などの見直しなどを行った結果、費用を削減できた。今後の実験に用いる機器・解析用のコンピュータの購入や国際会議での発表のための旅費などを次年度以降に残したい状況が生じたため,次年度使用額が生じた.
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