研究課題/領域番号 |
23K04323
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
小笠原 永久 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (60262408)
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研究分担者 |
山田 浩之 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (80582907)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 赤外線サーモグラフィ試験 / 放射率 / 偏光 / 最適化 / 角度依存性 / 消衰係数 / 天空放射 |
研究実績の概要 |
本研究は,赤外線サーモグラフィ試験において誤差要因となり得る,測定対象物の放射率ムラを補正することを目的としている.赤外線サーモグラフィ装置に赤外線偏光フィルターを取り付け測定し,場所ごとの放射率を測定し,補正に利用する. 本年度は,主に(1)偏光理論に基づく放射率決定手法の構築,(2)点計測における放射率測定方法の確立,(3)赤外線サーモグラフィ試験における放射率の重要性の情報収集を実施した. (1)偏光理論に基づく放射率決定手法の構築に関しては,偏光理論について調査を行い,消衰係数を無視した絶縁物用の近似理論式による理論体系の構築と,消衰係数も含んだ形のすべての材料を対象とする厳密理論式による補正を実施した.表計算ソフトによる,屈折率と消衰係数を変数とした,実験値に対する放射率の最適化アルゴリズムを構築した. (2)点計測における放射率測定方法の確立については,既存の赤外線サーモグラフィ装置を利用して,対象物の偏光放射特性を利用した方法と,偏光反射特性を利用した2種類の放射率測定手法を構築した.特に偏光反射特性を利用した方法では,天空放射を利用することで,外乱の少ない計測が行えることが示された.本手法には,偏光放射率の角度依存性を利用している. (3)非破壊試験および実験力学に関する学会に参加し,赤外線サーモグラフィ装置の利用に関する情報収集を行うとともに,今年度までの研究に関する発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究の目的に対し,ほぼ予定通りの研究を行い,満足のいく結果が得られている.
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今後の研究の推進方策 |
前年度に構築した放射率決定手法の最適化アルゴリズムを,単点測定から二次元測定の条件に改良する.また,二次元測定方法の構築も実施する.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は赤外線サーモグラフィ装置を購入予定であったが,単点測定に限定した測定であれば既存の赤外線サーモグラフィ装置で代用できたため,購入を見合わせた.今年度の予算による購入を予定している.
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