研究課題/領域番号 |
23K04361
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
劉 麗君 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (80809195)
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研究分担者 |
廣谷 潤 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80775924)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 機械学習 / 第一原理計算 / 金属材料 / 分子動力学 |
研究実績の概要 |
初年度はMg合金を中心に第一原理計算精度を有する機械学習ポテンシャルの開発と精度検証を行った。様々な力学パラメータを再現できる原子間ポテンシャルを開発することができた。さらに、Mg-Ca合金に関してこれまで実験で観測された物理現象の数値シミュレーションによる再現を検証した。 高性能Mg-Ca合金の設計においては、Ca原子の固溶効果に加えて、転位、双晶、粒界とCa固溶体クラスターや析出物などの微細構造との相互作用も考慮すべき重要な要素であり、これまでにMg-Ca合金に関するの延性がCaの固溶によって改善されることが、いくつかの実験結果や分子動力学結果によって報告されていた。しかしながら、従来の開発されたMg-Ca ポテンシャルのほとんどは、平衡状態での基本的な性質を再現することができるが、不安定な状態や欠陥が含まれる場合には、これらのポテンシャルでは正確な予測ができない問題があった。そこで開発したMg-Ca原子間ポテンシャルを用いてシミュレーションを行った結果、基本的な物理的、力学的、熱的特性だけでなく、高温高圧下での相転移も正確に予測することができることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画から加速してMg-Ca合金においてこれまでシミュレーションで再現できなかった相転移の物理現象を初めて再現できたことが大きな成果であるといえる。さらに、開発した高精度原子間力ポテンシャルの開発スキームをMg合金以外のカーボン系材料などにもすでに展開させ始めており、初年度は当初の計画以上に研究を進展させることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Mg-Ca合金以外にも開発した高精度原子間力ポテンシャル開発スキームを用いて、Al-CaやMg-Al-Caなどの合金における深層学習ポテンシャルモデルの性能検証を行う。これを用いて積層欠陥や転位などの塑性変形に関連する欠陥モデルを用いて、エネルギーや臨界せん断応力などの計算値と実験値や第一原理計算の計算値と比較する。具体的には、まず、添加元素が5つのすべり面(底面、柱面、1次錐面、2次錐面、引張双晶界面)の一般化積層欠陥エネルギーに与える影響及び温度依存性を調査することを想定している。これにより、これまでに過去文献で検証がなされてないCaとAlの添加に関する積層欠陥エネルギーの検証などを中心に、添加元素量が各すべり面の積層欠陥エネルギーの影響調査などを中心に研究を実施することでMg合金に対する各種力学特性や物理現象に対する検証と評価を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品については、当初予定していた納品の大幅な納期遅延がわかり、試行錯誤の末に自前の計算機での計算が予想以上に捗った結果、2023年度の物品購入費用が減少した。差額は2024年度での計算機等の購入や実験消耗品を計画している。旅費については、共同研究先の中国出張を予定していたが家庭内の都合でWEB会議に切り替えた結果、旅費が減少した。その分2024年度に参加を予定しているカナダで開催されるWCCMなどの国際学会への参加や中国への現地出張を予定しており、残額はそこで充当する予定である。
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