研究課題/領域番号 |
23K04444
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
石川 由加里 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 特任主幹研究員 (60416196)
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研究分担者 |
菅原 義弘 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 上級研究員 (70466291)
姚 永昭 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主任研究員 (80523935)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | GaN / TEM / c+a転位 / ビッカース |
研究実績の概要 |
市販HVPE-GaN(0001)結晶にビッカース圧痕を形成したモデル試料の狙った転位パタンが観察できる位置を選んでFIBで断面試料を作製した。本試料をTEMで観察し、圧痕表面近傍に形成されるrosette patternを構成する転位が従来報告されているa転位ではなくc+a転位であることを明らかにした。従前に解明した、flower patternの構成転位がa転位、triangular area の転位がc+a転位であることを利用して圧入によって結晶に与えられたエネルギーと転位の生成エネルギーが等しいとの仮定の上でビッカース圧痕サイズ(d)に対する転位パタンサイズを計算すると4.6d(rosette pattern)、11d (flower pattern)、0.98d (triangular area)となり、実験から得られたビッカース圧痕サイズと各転位パタンサイズの相関(3.7d(rosette pattern)、8.4d (flower pattern)、1d (triangular area))と良く整合した。本結果により、rosette patternがa転位として計算した際の逆転現象(16d(rosette pattern)、11d (flower pattern))が解決し、学術的問いのうち明らかにすること5の最大の課題が解消した。 また、圧入で導入された転位のうちrosette patternを構成するc+a転位は光や熱の励起により伸長すること、flower patternを構成するa転位は直線部分で440nm付近で発光するが曲線部分では発光しないことを見出した。これはa転位が分解して部分転位を形成したときの転位構造の組み合わせが直線部分と曲線部分で異なることに起因すると説明した。これらの知見は、デバイス動作における転位の影響を検討する際に重要な情報となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究においては3年間で項目1~5を完了する計画となっている。 R5年度は、ビッカース圧痕下の転位パタンの評価・解析を通して項目1および項目2のモデルスクラッチ周辺に導入された転位の3次元パタン構造を観察するための技術構築および転位のバーガースベクトルを決定するための技術構築がなされた。また、項目5の根幹となる考え方に問題がないことを確認した。ほぼ計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
R6年度は項目1ではモデルスクラッチ周辺に導入された転位の3次元パタン構造の評価、項目2では転位3次元パタン構造の各部における転位バーガースベクトルの同定、項目3の転位の3次元サイズとスクラッチサイズの相関解析を実施する予定である。
R7年度は項目4、5を実施して本研究目標を達成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画にあったGaNウエハを中国企業より購入予定であったが、中国側の輸出規制により購入が出来なかった。それに伴いウエハの加工に要する費用等も使用できなくなった。中国の輸出規制が緩和の見込みのため当該年度に購入できなかった分のGaNウエハを次年度に購入する。
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