研究課題
本研究では,軟質粒子ピーニング処理における表面改質メカニズムの解明を目的とし,その目的を達成するために実験および解析を実施した.2023年度では,単一粒子衝突によるメカニズムの解明を目的として以下の予備実験等を実施した.①単一粒子衝突による表面改質メカニズムの解明本目的を達成するために,DIC予備実験および動的荷重および静的荷重による負荷試験用治具を作成した.次に,単一粒子衝突による粒子変形および応力伝播について有限要素法解析を実施した.有限要素解析にはANSYSを使用した.解析モデルには鋼-鋼およびアルミ-鋼,銅-鋼における組合せを実施した.粒子衝突モデルには粒径100μmとし,衝突速度は100m/sとした.一方で,衝突解析には実際の粒子衝突条件を再現する必要があるが,粒子の飛翔速度や衝突時の速度は実験では求めることができないため,ノズル内外における気流解析と粒子飛翔挙動解析を実施した.その結果,いずれの投射材を用いた場合においても被加工材表面において微小な塑性変形が生じることを明らかにした.しかしながら,本解析で用いた鋼モデルは純鉄と同等の機械的特性であることから今後実用鋼と同様の機械的特性としたモデルについて同様の解析を行う.続いて,気流および粒子飛翔解析を実施した.本解析では粒子速度がノズルワーク距離によって変化することを明らかにした.その結果を踏まえ,得られた結果をもとに衝突解析に用いる速度も変更する.また,粒子の衝突角度は概ね90度近辺であった.
3: やや遅れている
解析については当初の予定通り進んでいるが,実験に使用する治具の作成に時間を要したため.
昨年度中に治具の作成が完了したため,本年度は動的荷重,静的荷重の繰り返し負荷がひずみにおよぼす影響について検討を行う.また,解析も引き続き実施する.解析では,角速度を算出するために粒子法解析を用いて飛翔する粒子の角速度の算出も実施する.
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Lecture Notes in Mechanical Engineering
巻: Proiceedings of INCASE2023 ページ: 285~291
10.1007/978-981-99-8643-9_34