研究課題/領域番号 |
23K04467
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
李 明軍 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50392808)
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研究分担者 |
田村 卓也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (30446588)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 凝固プロセス / アルミニウム合金 / 共晶合金 / 分離晶出 / 電磁流 |
研究実績の概要 |
「Al-Si共晶溶湯の分離晶出現象」は、固液界面に形成される不純物濃化領域(拡散層)を機械撹拌にて消失させることにより、Al-Si共晶溶湯にて固液界面にAl初晶デンドライトが晶出、それに対をなし液相中にSi初晶粒子が晶出する分離晶出が1985年に報告されているが、現象報告のみであり、理論的解明は全く行われていない。 そこで、本研究では、電磁流下においてAl-Si共晶溶湯(12.6mass%Si)からアルミニウムデンドライトのみが成長、さらに溶湯内に晶出するSi化合物等の晶出形態を把握する事で「電磁流プロセス下でのAl-Si共晶溶湯における分離晶出メカニズム」を明らかにすることを目的としている。 当該年度は、どのような因子が大きく影響するかを調査したところ、磁場が均一な磁場中心に凝固界面をもってくるのではなく、ローレンツ力が大きく変化する場所、つまりは電流密度が急激に変化する場所に凝固界面をもっていくことにより、Si晶出が顕著になった。また、磁場強度・直流電流量を変化させ、Si晶出状態を調査したところ、ローレンツ力の強度が重要であった。この事より、電磁流の強度が大きい場所に凝固界面をもってくることが重要であることが判明した。 また、試料に多数の熱電対をつけ実験したところ、電磁流を印加する事により凝固界面の場所が大きく変化する事が分かった。これにより、実際の凝固界面の場所を特定する事が出来た。さらに、溶湯に浸漬したカーボン電極の発熱が引き下げ不可に大きくかかわっていることも見出せた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施予定であった、電磁流条件・試料の温度分布・電極材料等などの影響を正確に把握する事ができ、Si晶出の重要なファクターを見出す事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、シミュレーション・EBSD等を活用して、Si濃縮初晶粒子の晶出形態・晶出場所などを明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
主な次年度使用額が生じた理由としては、実験補助員の確保が出来なかったことにある。この使用計画としては、実験補助員の確保が出来たことから、翌年度分の人件費と合わせて実験補助員を雇用し、実験を加速させる予定である。
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