• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

分離系に応じたカスタムメイドなイオン性シロキサン膜の作製法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K04472
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

廣田 雄一朗  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60632437)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード膜分離 / イオン液体 / シロキサン膜 / 蒸気輸送法 / ガス分離 / 蒸気分離
研究実績の概要

イオン液体の分子構造が-Si-O-のシロキサンネットワークに化学的に固定されたイオン性シロキサン膜の新規製膜法の開発を試みた。
まず、多孔質アルミナ管上にクロロプロピル基を側鎖にもつシロキサン膜をゾル-ゲル法により作製した。続いて、作製した膜を1-メチルイミダゾールと接触しないよう密閉容器内へ設置し、80度で加熱することで1-メチルイミダゾール蒸気と接触させ、側鎖クロロプロピル基のイオン液体化を図った。この蒸気輸送処理前後のXPS測定とAgCl析出実験より、側鎖クロロプロピル基が塩化物イオンをもつイミダゾリウム系イオン液体の分子構造へ変化したことを確認した。また、水蒸気/H2の透過分離試験を通じて、水蒸気/H2分離係数が3.7から670へ,水蒸気透過率が2.2x10^(-8)から1.0x10^(-6) mol/(m2 s Pa)へ大幅に向上し,優れた水蒸気選択透過性を有する膜への変化を確認した。これは、側鎖有機基がイオン性の,つまり極性をもつ構造へ変化したことが理由と考えられる。
次に、蒸気輸送処理した膜をHN(SO2CF3)2水溶液中に含浸させ、膜形状でのCl-から(SO2CF3)2N-へのアニオン交換を試みた。EDSによる分析から、アニオン交換が進行していることを確認すると同時に、トルエン蒸気/N2の透過分離試験において、アニオン交換によりトルエン選択透過性の向上を確認した。
上述のとおり、蒸気輸送法とアニオン交換法によるイオン性シロキサン膜の新規作製法のコンセプトを実証することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要で記したとおり、研究提案した蒸気輸送法とアニオン交換法を通じたイミダゾリウム系イオン液体の分子構造をもつイオン性シロキサン膜の作製と、透過分離能の変化を実証することができた。

今後の研究の推進方策

イミダゾリウム系にて新規製膜法のコンセプトを実証できたことから、他のカチオン構造をもつイオン性シロキサン膜の作製へと本手法を展開する。その後、CO2分離膜や、炭化水素分離膜として高い性能をもつイオン性シロキサン膜の作製を進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Preparation of ionic liquid-immobilized siloxane membranes by vapor phase transport technique2023

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Hirota, Kazuki Yokoi, Yuka Shishiba, Shunsuke Tanaka
    • 学会等名
      13th International Congress on Membranes and Membrane Processes
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi