研究課題/領域番号 |
23K04515
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
Ding Wuxiao 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (90598757)
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研究分担者 |
鵜沢 浩隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60356566)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 生物毒素 / 検知チップ / 糖鎖 |
研究実績の概要 |
2023年度の研究目的は、LSPRチップ作製過程における糖鎖の導入を定量的に解析するとともに、擬毒素への検出感度の向上を目指す。 まず、リシンとの結合できるLipoyl lactoside糖鎖を一段階で合成・精製に成功した。さらに、Lipoyl lactoside糖鎖を窒化ケイ素基板に固定した。高感度反射法FT-IRを用いて窒化ケイ素基板上の糖鎖(Lipoyl lactoside)を測定した結果、糖鎖由来のC-H伸縮ピークやアミドピークが観察されなかった。新たに合成した重水素標識化した糖誘導体(Lipoyl-C12H24-glucoside)を用いて、C-D伸縮ピークの有無を確認中。 検出感度の向上のため、LSPRチップ上の金ナノ粒子の修飾密度や配列の制御に着目した。市販の金ナノ粒子(40nm)を4倍に濃縮し、窒化ケイ素基板上に固定後電子顕微鏡で観察した。濃縮によって金ナノ粒子の修飾密度が1.5倍に向上し、擬毒素への検出感度も2倍弱に増強した。さらに、サイズが異なる金ナノ粒子の組み合わせで、金ナノ粒子2層化したLSPRチップも構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
重水素標識化した糖誘導体(Lipoyl-C12H24-glucoside)の合成に成功し、それを修飾した金基板を高感度反射法FT-IRで解析中。 LSPRチップ上の金ナノ粒子の修飾密度や配列の制御によって、擬毒素リシンへの検出感度は2倍弱に増強した。また、金ナノ粒子2層化したLSPRチップの構築にも成功した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き高感度反射法FT-IRなどの手法でLSPRチップを解析、検出感度の向上や相関性の解明に努める。特に、検出過程でノイズシグナルの最小限化にも工夫が必要。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入する予定試薬が欠品となり、22506円の金額を2024年度に繰り越しした。
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