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2023 年度 実施状況報告書

カーボンナノチューブを基盤とした光機能界面の構築と人工光合成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K04519
研究機関富山大学

研究代表者

高口 豊  富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (10293482)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードカーボンナノチューブ / 光捕集 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / フラーレン / 光触媒 / 水分解
研究実績の概要

1. CNTの光捕集機能を確認するために必要なC60デンドロンの合成検討を行った。当初の合成計画では目的分子が得られなかったため、合成計画を変更し、検討を続けている。
2. CNT表面にフェロセン色素を導入した新たな光誘起電子移動系の構築に成功した。この表面にC60デンドロンを導入することで、電子抽出能が向上することを見出た。これにより、色素の光捕集機能とCNTの光捕集機能を、同様なナノ構造で比較することが可能となった。
3. CNTの光捕集機能を確認するために必要な、高活性助触媒の開発を行い、TiO2-Ptナノ粒子が、高い活性を示すことを見出した。
4. CNTと同様に、励起子の束縛エネルギーが高く、光捕集機能が期待される遷移金属ジカルコゲニドの表面物理修飾を利用した光触媒機能を確認した。
5. 具体的には、MoSe2/C60を光増感剤として用いる水素製造に成功した。
6. WS2/アントラセン、および、MoS2/アントラセンを光増感剤として用いる水素製造に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初目的としていたC60誘導体の合成には至っていないが、分子デザインを変更することで、解決できる見込みである。また、高活性な助触媒の発見、CNT表面への色素導入、遷移金属ダイカルコゲナイドの利用など、当初の見込みを超えた成果が上がりつつある。

今後の研究の推進方策

1. C60デンドロンの末端に導入する金属錯体リガンドを、ビピリジンからフェナントロリンに変更することで、前駆体の合成まで成功しているので、引き続きC60デンドロンの合成検討を続ける。
2. CNT表面にフェロセン色素を導入した新たな光誘起電子移動系を利用し、色素の光捕集機能とCNTの光捕集機能を、同様なナノ構造で比較する検討を継続する。
2. 遷移金属ダイカルコゲナイドの光捕集機能を確認可能な光触媒系を発見したので、触媒系の改良と光捕集機能の確認について検討を進める。
3. 低次元ナノ材料の光捕集機能を明らかにするための電子移動界面構築法について、引き続き検討を進め、これまで明らかになっていなかった光捕集機能の評価を可能とする。

次年度使用額が生じた理由

研究に必要な消耗品の購入にあたり、教育研究基盤経費で経費を賄うことができた。今後、研究遂行に必要な高額な消耗品(分取液体クロマトカラム 100万円、超純水製造装置イオン交換樹脂 40万円)などの購入も予想されていることから、本年度の執行率を低く抑えた。なお、研究は、研究計画通りに進行しており、執行率が低いことにより研究計画に影響は出ていない。
次年度は、上記の高額消耗品に関わる装置の運用状況をみながら、性能劣化が見られた時点で、ただちに購入予定である。主な内訳は、分取液体クロマトカラム 100万円、超純水製造装置イオン交換樹脂 40万円などを予想している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Composite Formation of Anthrylene- and Ferrocenoyl-Substituted Phenyleneethynylenes with Single-Wall Carbon Nanotubes (SWCNTs)2023

    • 著者名/発表者名
      H. Watanabe, K. Ekuni, Y. Okuda, R. Nakayama, K. Kawano, T. Iwanaga, A. Yamaguchi, T. Kiyomura, H. Miyake, M. Yamagami, T. Tajima, T. Kitai, T. Hayashi, N. Nishiyama, Y. Kusano, H. Kurata, Y. Takaguchi, A. Orita
    • 雑誌名

      Bull. Chem. Soc. Jpn.

      巻: 96 ページ: 57-64

    • DOI

      10.1246/bcsj.20220308

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カーボンナノチューブ選択励起を利用した光触媒的水素発生2023

    • 著者名/発表者名
      高口 豊
    • 雑誌名

      触媒(Catalysts and Catalysis)

      巻: 65 ページ: 23-28

  • [学会発表] カーボンナノチューブ光触媒を用いた人工光合成2024

    • 著者名/発表者名
      高口 豊
    • 学会等名
      nano tech 2024(第5回ナノカーボンオープンソリューションフェア)
    • 招待講演
  • [学会発表] 単層カーボンナノチューブの表面修飾を利用した人工光合成系の構築2023

    • 著者名/発表者名
      高口 豊
    • 学会等名
      電気化学会北陸支部春季大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 単層カーボンナノチューブの表面修飾を利用した人工光合成系の構築2023

    • 著者名/発表者名
      高口 豊
    • 学会等名
      ナノセルロース・ナノカーボン複合材料専門委員会
    • 招待講演
  • [学会発表] 単層カーボンナノチューブの表面修飾を利用した人工光合成系の構築2023

    • 著者名/発表者名
      高口 豊
    • 学会等名
      第19回日本写真学会光機能性材料Onlineセミナー
    • 招待講演
  • [備考] 高口研究室

    • URL

      https://sites.google.com/view/taklab/home

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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