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2023 年度 実施状況報告書

フッ素とカチオンのハイブリット骨格を基盤とする二酸化炭素固定化有機触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K04754
研究機関千葉工業大学

研究代表者

原口 亮介  千葉工業大学, 工学部, 准教授 (80781369)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードハロゲン結合 / ヨウ素 / 二酸化炭素固定化
研究実績の概要

本研究では, 高活性な二酸化炭素固定化触媒の創出を目指し, 高度にフッ素化されたカチオン性ヘテロ環を基盤とする新規ハロゲン結合供与体を開発した. 具体的には, 多数のトリフルオロメチル基を有するヨードトリアゾリウム塩の合成を行った. アニリンから1段階で合成可能なトリアゼンとアルキンとの酸化的[3+2]環化付加反応によって, 最大6つのトリフルオロメチル基を有するトリアゾリウム塩を中程度から高収率で得た. 本反応は空気下で簡便に行え, 大スケール(20 mmol)でも行うことが可能である. 次に, 合成したトリアゾリウム塩をt-BuOKによって脱プロトン化し, カルベン中間体を発生させ, その後に分子性ヨウ素と反応させることでヨードトリアゾリウム塩が良好な収率で得られた. 生成物の同定は, 1H NMR, 13C NMRおよびマススペクトルによって行った. 今後は, トリフルオロメチル基の位置や数が異なる様々なヨードトリアゾリウム塩を合成するとともに, それらを二酸化炭素とエポキシドとの[3+2]環化付加反応に適用し, フッ素の置換基効果を系統的に調査していく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ターゲットである高度にフッ素化されたカチオン性ハロゲン結合供与体の合成法を既に確立している. また, トリフルオロメチル基によって, ヨウ素部位のルイス酸性が向上することもGutmann Beckett法により確認している. これらのことから, 二酸化固定化反応への触媒活性評価を行う下地が揃ったため, 本研究は順調に進んでいると考えている.

今後の研究の推進方策

まずは二酸化炭素とエポキシドとの反応において, ヨードトリアゾリウム触媒のフッ素置換基効果を調査する. 具体的には, トリフルオロメチル基の位置や数が及ぼす影響を系統的に調べ, 高い触媒活性発現に重要な要素を明らかにする. また, DFT計算による遷移状態の構造を調べる. これらを通じて得た知見をもとに, より高活性なハロゲン結合供与体を設計・合成し, その触媒活性を評価する.

次年度使用額が生じた理由

当初計画していたより早く, 多数のトリフルオロメチル基を有するヨードトリアゾリウムの合成法が確立できたため, 使用額を比較的抑えることができた. 一方, 令和6年度は様々な数のトリフルオロメチル基を有するヨードトリアゾリウム塩の合成にも取り組むため, 試薬代や溶媒代などの消耗品費が多くなることが予想され, 次年度使用額はそれらの経費に充当する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 高度にフッ素化されたカチオン性ハロゲン結合供与型触媒の開発2023

    • 著者名/発表者名
      山﨑 朱夏, 道井 翔太, 原口 亮介
    • 学会等名
      第13回CSJ化学フェスタ
  • [学会発表] 高度にフッ素化されたカチオン性ハロゲン結合供与型触媒の開発2023

    • 著者名/発表者名
      山﨑 朱夏, 道井 翔太, 原口 亮介
    • 学会等名
      第52回複素環化学討論会
  • [学会発表] 高度にフッ素化されたカチオン性ハロゲン結合供与型触媒の開発2023

    • 著者名/発表者名
      山﨑朱夏, 道井翔太, 原口亮介
    • 学会等名
      第84回有機合成化学協会関東支部シンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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