研究実績の概要 |
本研究は、CO2電解還元高分子触媒として機能する薄膜を金属電極上に作成して、CO2電解還元触媒能を評価することを目的としている。今年度は、高気体透過性高分子とCO2電解還元触媒として機能する各種イミダゾリウム化合物との複合膜のCO2電解還元触媒活性を評価した。 高気体透過性高分子としてポリ(トリメチルシリル-1-プロピン) (PTMSP)を用いた。イミダゾリウム塩には1-Butyl-3-methylimidazolium Tetrafluoroborate (Imi-1)、1-Butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate (Imi-2)、1-Butyl-3-methylimidazolium Bis(trifluoromethanesulfonyl)imide (Imi-3)、1-Butyl-2,3-dimethylimidazolium Bromide (Imi-4)を用いた。 PTMSPと各種 イミダゾリウム化合物の1:1物質量比の溶液を用いて白金電極上にキャストして作成した複合膜のCO2電解還元触媒を、サイクリックボルタモグラムにより評価した。いずれの複合膜もすべて、PTMSP単体膜よりも還元電流値が大きくなったことから、 イミダゾリウム化合物がCO2電解還元触媒として働いているが確認できた。また、電解質溶液中に水を100 μL, 200 μL, 300 μL, 400 μLを添加したときのCO2電解還元触媒活性を調べた。その結果、電解質溶液中の水分量が多いほど還元電流値が大きくなっており、水がCO2電解還元によるH2発生のプロトン源となっていることが確認できた。
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