研究課題/領域番号 |
23K04841
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
盛満 裕真 九州大学, 工学研究院, 助教 (60961696)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 直接観察 / セグメント運動 / ダイナミクス / 原子間力顕微鏡 / 接着 / 活性化エネルギー / ポリスチレン |
研究実績の概要 |
本課題は原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、固体基板上における孤立高分子鎖の形態を直接観察することで、他の分子鎖存在に起因する協同運動性を排除した高分子鎖のセグメント運動のダイナミクスを解明することを目的とした。高分子鎖のセグメント運動は、ガラス転移など、高分子材料の主要な特性に寄与する重要な因子であるため、得られる知見は、高分子材料の力学・機能特性の更なる理解と制御に貢献すると期待される。 これまで、「研究活動スタート支援」において、固体基板上における孤立高分子鎖形態を直接観察方法と解析方法の確立した。また、原子間力顕微鏡のACモード(ノンコンタクト)に基づき、軽微な触圧 (0.1 nN以下)での孤立鎖分子鎖を観察する方法を確立した。ポリスチレン(PS)孤立鎖を高さ像を連続測定したデータに基づき、運動性に関する情報を抽出する手法を確立した。 本研究課題1年目は、下記の目標①を達成した。PS孤立鎖の直接観察を行い、測定温度を系統的に変化させ、各温度におけるAFM像の経時変化を取得した。各温度における緩和時間を抽出し各温度における緩和時間マップを作成した。これにより、各位置における緩和時間の温度依存性から活性化エネルギーを算出することに成功した。研究成果は、複数の学会にて発表済みであり、トップジャーナルへの投稿準備中である。
目標① 最もダイナミクスの知見が多い合成高分子として、ポリスチレン(PS)鎖を用い検討を行う。各セグメントにおける緩和時間を抽出し、温度依存を検討する。緩和マップを作成し、バルクや界面における協同的セグメント運動と比較し、ダイナミクスを議論する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題申請時の以下二つの目標の内の一つである①について、おおよその研究が完了したため、おおむね順調に進展していると判断した。
① 最もダイナミクスの知見が多い合成高分子として、ポリスチレン(PS)鎖を用い検討を行う。各セグメントにおける緩和時間を抽出し、温度依存を検討する。緩和マップを作成し、バルクや界面における協同的セグメント運動と比較し、ダイナミクスを議論する。 ② 続いて、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、およびPS-r-PMMAランダム共重合体について同様の議論を行う。側鎖やシークエンスなどの一次構造の違いが、セグメント運動に与える効果を解明する。また、それらのセグメント運動の違いが、界面やバルクの協同的セグメント運動、ガラス転移や力学特性に及ぼす影響を明らかにする。
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今後の研究の推進方策 |
課題申請時の目標に沿って、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、およびPS-r-PMMAランダム共重合体について同様の議論を行う。側鎖やシークエンスなどの一次構造の違いが、セグメント運動に与える効果を解明する。また、それらのセグメント運動の違いが、界面やバルクの協同的セグメント運動、ガラス転移や力学特性に及ぼす影響を明らかにする。
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