研究課題/領域番号 |
23K04874
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
荒川 優樹 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30757365)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 液晶 / ツイストベンドネマチック相 / 屈曲型分子 / V字型分子 / シアノビフェニル |
研究実績の概要 |
本研究では、従来の原子数が奇数のスペーサー鎖による屈曲した分子構造の二量体とは異なり、スペーサーの中心に環構造を導入した分子系において、メタ位などの置換位置や角度の違いで分子構造を屈曲させたV字型構造により、ツイストベンドネマチック相を誘起するための分子構造の開拓を行う。まず、メタ位にカルボキシル基を有するイソフタル酸エステルを中心構造とし、アーム部位に2つのシアノビフェニル構造を有するV字型分子の合成を行った。炭素数(n)の異なるアルコール鎖を有するシアノビフェニル類縁体を合成し、イソフタル酸クロリドとのエステル化により、目的とする化合物群(炭素数nが2-10)を合成した。相転移挙動観察により、nが偶数の2つの化合物でツイストベンドネマチック相の形成が見られた。従来の奇数系の二量体分子とは異なり、炭素数が偶数の方がツイストベンドネマチック相の形成に有効である点も新しい知見である。このようなV字型の分子系では、スペーサー鎖のコンフォメーションにより、偶数系の場合に中心のイソフタル酸エステルとシアノビフェニル構造の長軸がより直線的になるため、偶数系でツイストベンドネマチックの形成に有利になったものと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、メタ置換構造を中心としたシアノビフェニル系V字型分子により、ツイストベンドネマチック相の形成を見出すことができたたため、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
シアノビフェニルを用いたメタ置換体によりツイストベンドネマチック相の形成が確認できたため、今後はリンカーやメソゲン構造、置換位置の異なる分子系へと展開する。
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