研究課題/領域番号 |
23K04882
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
角屋 智史 甲南大学, 理工学部, 助教 (70759018)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 有機伝導体 / 有機半導体 / トランスファー積分 / フェロセン / 強相関 |
研究実績の概要 |
目的としている分子性導体開発のための分子合成を行い、ラジカルカチオン塩を作製し物性評価を行った。磁化率測定まで完了し、解析の結果、モデル化合物よりも反強磁性相互作用が増加していることが分かった。室温での抵抗率が高く、ゼーベック係数の測定は困難であったが、ここまでのデータに関して、論文にまとめている。また、分子軌道の形状と可逆的な酸化還元特性をもつフェロセン物質群をトランジスタの活性層に適応するテーマにも着手し、デバイスの動作確認を行った。今後、このテーマは結晶構造とデバイス特性、デバイス作製プロセスの改善など系統的な研究を展開する必要がある。こちらも並行して進める予定である。分子軌道計算に関しては今年度末までADFプログラムを契約し、設置を完了し、順次、トランスファー積分の評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
開発した物質の熱電特性の評価は困難であったが、それを基に新たな物質デザインを設計し、物質開発を継続的に進めている。これと並行して新しいテーマを立ち上げることもできた。分子軌道計算に関しては、DFTの精度での計算環境を設置できたため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、大きな問題は発生しておらず、次年度も研究計画に則り研究をすすめる。この過程で、希釈冷凍機の修理を行う可能性があるが、こちらも代理店とは既に連絡を取っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度は、研究計画における消耗品の割合が比較的少なかった。このため、これらを次年度の消耗品代として使用する。一方で、量子化学計算パッケージADFプログラム、研究室ホームページの更新、装置の輸送費など、その他の費用項目が高くなった。
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