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2023 年度 実施状況報告書

新奇二元機能電極触媒の高活性化と革新型一体化再生型燃料電池の具現化

研究課題

研究課題/領域番号 23K04916
研究機関大分大学

研究代表者

衣本 太郎  大分大学, 理工学部, 教授 (90464429)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード一体化再生型燃料電池 / 二元機能電極触媒 / 水素発生反応 / 酸素還元反応
研究実績の概要

当初の研究計画にしたがい、2023年度は大きな比表面積と高い導電率を兼備する炭素担体として、メソ多孔炭(Meso porous carbon; MPC)を用い、チタン酸窒化物担持MPC(TiOxNy担持MPC)の作製に取り組んだ。合わせて活性炭を用いたチタン酸窒化物担持活性炭の作製も行ってきた。
まず、チタン酸窒化物担持活性炭を、メーカーから提供を受けたMPCに、フッ化チタン酸アンモニウム水溶液とホウ酸水溶液を用いてTiO2粒子を担持させ、アンモニア気流中で加熱処理する熱窒化処理によりTiOxNy担持MPCを作製した。電界放出型走査電子顕微鏡での観察やX線回折測定とX線光電子分光測定の結果から、粒径がナノメートルオーダーのチタン酸窒化物が担持されたMPCの作製を確認できた。しかし、X線回折測定で見積もられるTiN相とTiO相の割合や、X線光電子分光測定で見積もられるチタンと酸素、窒素および組成比にばらつきがあった。組成制御については今後の検討課題と考えている。
水素発生反応への触媒活性について、試作済みの二室式三電極電気化学セルを直接、ガスクロマトグラフィーに接続する測定方法を用いて調べた。TiOxNy担持MPCの水素生成速度は、組成比と同様にばらつきがあったが、最も良い場合、従来用いてきたチタン酸窒化物担持活性炭を越える水素生成速度の結果も得られた。ただ、ばらつきが大きく、組成再現性の高い作製方法の改善が必要で、その後に組成比との相関を深く検討していきたいと考えている。
酸素還元反応の触媒活性は回転電極法を用いて調べる予定であるが、水素生成速度の結果と同様、組成比のばらつきが測定結果に影響を及ぼすと考えられるため、まず重要視している水素生成速度に優れる組成比を有するTiOxNy担持MPCの作製方法を確立後に検討を開始したいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画通りに研究を進めてきた。しかし、TiOxNy担持MPCの作製において、従来用いてきたチタン酸窒化物担持活性炭よりも、X線回折測定で見積もられるTiN相とTiO相の割合や、X線光電子分光測定で見積もられるチタンと酸素、窒素および組成比にばらつきがあることがわかり、そのばらつきが水素発生速度に影響を与えることが明らかになった。本研究では、当初より、TiOxNy粒子の最表面の窒素量と導電率が水素生成速反応と酸素還元反応の触媒活性に影響を与えると考えており、それを解明しようとしている。それに向けて、作製方法の改善を進めていくことが課題であることを明らかにできた。

今後の研究の推進方策

本研究がフォーカスしている一つに、TiOxNy粒子の最表面の窒素量と導電率およびHERとORR触媒活性との相関の解明があり、それには組成比のばらつきが少ないTiOxNy担持MPCの作製技術確立が必要となる。それに向けて、研究を推進していく。

次年度使用額が生じた理由

物品費で購入予定であったOpenLabクロマトデータシステムを、メーカーキャンペーン期間中に購入できたため、当初見積よりも安価に購入できた。旅費については学会発表分を見込んでいたが、本経費から支出する必要がなかったので、執行しなかった。人件費についても執行する必要がなかった。他の使用予定についても、来年度以降、研究の実施や対外発表の経費として適宜執行する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 比表面積の異なる活性炭を用いる チタン酸窒化物担持活性炭による水素発生反応2023

    • 著者名/発表者名
      田口寛之,松岡美紀,横溝英子,衣本太郎
    • 学会等名
      第60回化学関連支部合同九州大会
  • [備考] 大分大学理工学部衣本研究室ホームページ

    • URL

      https://www.appc.oita-u.ac.jp/kinumoto-lab/

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公開日: 2024-12-25  

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