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2023 年度 実施状況報告書

ナノカーボンのメカノケミカル合成と酸素還元/発生反応のための活性点のデザイン

研究課題

研究課題/領域番号 23K04919
研究機関近畿大学

研究代表者

湯浅 雅賀  近畿大学, 産業理工学部, 教授 (50404075)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード大容量蓄電池 / 酸素還元反応 / 酸素発生反応 / 炭素材料 / メカノケミカル反応
研究実績の概要

酸素還元反応(ORR)と酸素発生反応(OER)は燃料電池、水電解、二酸化炭素還元、金属空気電池、可逆燃料電池などに利用される重要な電気化学反応である。研究代表者はこれまでに、グラファイトのメカノケミカル反応により生成するグラフェン(メカノケミカルグラフェン)をORR-OER二元機能電極材料として検討し、その過程において、メカノケミカルグラフェンは長時間のメカノケミカル処理で凝集し、活性点の数が減少するという課題を見い出した。そこで本研究では、メカノケミカルグラフェンの凝集を抑制することに取り組む。また、ORRとOERを効率よく進行させるためには、電極材料上の活性点の数だけでなく活性点1つ1つの質も重要である。そこで本研究では、メカノケミカルグラフェンの欠陥制御や異種元素のドープによる活性点の質の向上についても検討を行う。
メカノケミカルグラフェンの凝集抑制について、今年度はグラファイトのメカノケミカル処理時に凝集抑制剤を添加することに取り組んだ。凝集抑制剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グルコースを検討した。その結果、塩化ナトリウムと塩化カリウムを利用した場合において凝集抑制効果が得られ、メカノケミカルグラフェンの比表面積が向上し、ORR-OER二元機能活性も向上した。特に、塩化ナトリウムとグラファイトの質量比が1:2のときに、最も高い効果が得られた。グルコースを凝集抑制剤に用いた場合はメカノケミカル反応が進行せず、グルコースはメカノケミカル反応によるグラフェン生成の進行を阻害することがわかった。
また一方で、メカノケミカルグラフェンなどの炭素材料にける活性点の質を向上するために、炭素材料の金属化合物共存下での熱処理を検討した結果、鉄化合物(塩化物あるいは酸化物)共存下での熱処理がORR活性向上に有効であることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

メカノケミカルグラフェンの凝集抑制方法の探索において、凝集抑制効果のある物質を、当初の予定どおり令和5年度中に見出すことができたため。また、活性点の質の向上の検討においても、新しい方法を見い出すことができたため。

今後の研究の推進方策

グラフェンの凝集抑制については、塩化ナトリウム以外の、凝集抑制効果を有する物質を探索する。探索においては、令和5年度に検討した固体だけでなく、液体についても調査対象とする。活性点の質の向上の検討においては、異種元素のドープ効果(ドープ元素の種類、量、導入方法など)の調査を実施する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 金属化合物を用いて賦活した含窒素カーボンの酸素還元活性2023

    • 著者名/発表者名
      座安朋成、湯浅雅賀
    • 学会等名
      2023年電気化学秋季大会
  • [学会発表] キトサンから合成した金属空気電池用カーボンの 酸素還元活性2023

    • 著者名/発表者名
      座安朋成、湯浅雅賀
    • 学会等名
      福岡県環境教育学会第26回年会
  • [学会発表] 酸素還元反応用窒素ドープカーボンの賦活化条件の検討2023

    • 著者名/発表者名
      座安朋成, 湯浅雅賀, 古賀優希
    • 学会等名
      第60回化学関連支部合同九州大会

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公開日: 2024-12-25  

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