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2023 年度 実施状況報告書

変異アミノ酸残基に対する人工的な翻訳後修飾の導入とタンパク質の機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 23K04956
研究機関北海道大学

研究代表者

薬師寺 文華  北海道大学, 薬学研究院, 准教授 (40548476)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードヒストン変異体 / メチオニン / タンパク質化学修飾
研究実績の概要

本研究は、変異アミノ酸残基選択的に化学修飾を導入する事で、標的タンパク質あるいは標的タンパク質に結合する酵素複合体の機能を制御することを目的としている。これまでに、ヒストン H3 27番目のリシン残基がメチオニンへと変異したヒストンH3K27Mをモデルとし、メチオニン残基に対する選択的な化学修飾を行うことで、H3 ペプチド鎖に所望の化学修飾を導入することが可能であることを確認している。また、導入した化学修飾上の置換基の違いが、タンパク質機能制御能に影響を及ぼすことを見出している。
以上の検討より得られた修飾型ペプチドを用いて、より複雑なモノヌクレオソームを基質とした際のヒストンメチル化活性への影響を評価した。強力なヒストンメチル化酵素複合体阻害能を有する12残基の修飾型ペプチドを用いたが、基質がモノヌクレオソームの場合は阻害活性が減弱することが明らかになった。これより種々検討した結果、ヒストンN末端部分を修飾型ペプチドに導入することで阻害活性の向上につながることを見出した。また、親和性を有するヒストンメチル化酵素複合体における相互作用部位の解析を行うべく、共同研究による複合体構造の取得を試み、初期データを得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ペプチド鎖に対して所望の化学修飾反応が進行する条件を見出していたので、同様の条件下においてヒストンH3変異体に対する化学修飾の導入を検討した。ヒストンH3K27M(タンパク質)を用いた際、メチオニン選択的に置換基が導入されることを期待したが、質量分析において修飾体を確認することができなかった。引続き、化学修飾の条件最適化と修飾体の解析を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

昨年度に引続き、ヒストン H3K27Mに対する化学修飾について検討を実施する。条件の最適化を行うことで、変異型タンパク質への化学修飾の導入を確認する。ヒストンH3K27Mタンパク質に対する化学修飾の導入が確認できたら、モノヌクレオソームへの組込みについて検討を行い、所望の化学修飾を有するデザイナーモノヌクレオソームの創製、およびその機能解析を実施する。また、細胞内への導入や細胞内挙動の解析を実施することで、人工的なヒストンタンパク質化学修飾体の有用性について検証する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] University of Colorado Boulder(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Colorado Boulder
  • [学会発表] ヒストンメチル化修飾制御化合物の創製研究2023

    • 著者名/発表者名
      薬師寺文華
    • 学会等名
      第97回日本薬理学会年会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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