研究課題/領域番号 |
23K05018
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
越智 杏奈 立命館大学, 生命科学部, 助教 (60542339)
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研究分担者 |
青野 陸 立命館大学, 生命科学部, 助教 (80777938)
井上 真男 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (90906976)
三原 久明 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30324693)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | トリメチルスルホニウム / ジメチルスルフィド / 硫黄循環 / 土壌細菌 / C1資化 |
研究実績の概要 |
令和5年度は「土壌微生物によるトリメチルスルホニウム(TMS)分解を介したジメチルセレニド (DMS) 生成機構」を明らかとすることを目的とし、TMS資化性細菌 Aminobacter sp. m3株のTMS資化に関与する遺伝子クラスターの機能解析を行った。 TMS資化遺伝子クラスターの鍵酵素であるTMS-THFメチル基転移酵素のリコンビナント酵素を精製し、TMSやトリメチルセレノニウム (TMSe)、ジメチルスルホンプロピオン酸 (DMSP)やその他 C1化合物からのTHFメチル基転移活性を評価し、基質特異性を調べた。その結果、本酵素はTMSe、TMS、DMSPに活性を示した一方、トリメチルアミン (TMA)やテトラメチルアンモニウム (TMAH)には活性を示さなかった。また、AlphaFold2による予測構造から基質結合および活性に関係しそうなアミノ酸残基を選定、変異を導入し、活性測定を行った。その結果、4つの変異体においてTMSに対する活性が失われたことから、本酵素のメチル基転移に重要な部位を特定することができた。
さらに、遺伝子クラスター内に存在する2つの転写因子のリコンビナント酵素のうち、リプレッサーと予想される転写因子のリコンビナント酵素を精製し、結合配列やエフェクター分子を調べた。その結果、本転写因子はTMS資化遺伝子クラスターのプロモーター領域に結合し、TMSおよびTMSeで結合が解除されるが、TMAでは解除されないことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画通り、TMS資化性細菌 Aminobacter sp. m3株のTMS資化に関与する遺伝子クラスターの機能解析を行った。これまでの成果は、令和5年度に3つの国内学会および1つの国際学会で報告した。
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今後の研究の推進方策 |
TMS-THFメチル基転移酵素の結晶構造解析を行い、得られた結晶構造より基質結合および活性に重要な残基を調べ、反応メカニズムを推定する。 2つの転写因子のリコンビナント酵素を精製し、それぞれの結合部位や制御機構を調べることにより、TMS資化遺伝子クラスターがどのように制御されているのかを明らかとする。 Aminobacter sp. m3をTMS、TMA、もしくはGlucoseを単一炭素源として培養した場合について発現変動解析を行い、TMS資化に関わる経遺伝子およびその経路とメカニズムを明らかとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度はTMS資化に関係する遺伝子クラスターの機能解析を中心に行い、メタゲノム解析やメタトランスクリプトーム解析は行わなかったため、次年度使用額が生じた。 令和6年度は土壌でのTMS資化やDMS分解に関与する細菌種や遺伝子群の解析を計画しており、メタゲノム解析およびメタトランスクリプトーム解析に使用する予定である。
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