研究課題/領域番号 |
23K05022
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
姫野 俵太 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80208785)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | リボソーム / リボソーム成熟 / リボソーム生合成 |
研究実績の概要 |
本研究では、これまでに研究代表者が明らかにしてきた「RsgAとRbfAの関係」を足がかりとして、細菌のリボソーム30Sサブユニット生合成(成熟)過程後期に必要とされる4種類の成熟因子(RsgA、RbfA、RimM、Era)に焦点を当て、遺伝学、生化学的アプローチを用いて各因子の30Sサブユニット成熟に対する役割を解析していく。同時に、生合成中間体の構造解析を行うことによりその分子メカニズムを詳しく解析し、リボソームの生合成後期過程の全容解明につなげる。また、各成熟因子を欠損させた細胞に蓄積している30Sサブユニット生合成中間体から成熟した30Sサブユニットをin vitroで構築する系を確立し、新規抗生物質開発に向けての基礎とする。 本年度は、「YbeYの欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体は、他の成熟因子(RsgA、RbfA、RimM)の欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体とは異なり、EraのGTP加水分解活性を活性化しなかった」という前年度までに得られた知見に着目し、YbeY欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体を調べた。その結果、YbeYの欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体は、他の成熟因子の欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体とは異なり、リボソームタンパク質S21がほとんど結合していなかった。この結果は、YbeYの欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体が特殊な30Sサブユニット生合成中間体であり、EraとS21の間の関係も含めてこれを追求することで、30Sサブユニット成熟過程を知る上での鍵となることを示唆するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者は、YbeYの欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体は、他の成熟因子の欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体とは異なり、EraのGTP加水分解活性を活性化しないことを明らかにしている。本年度は、YbeYの欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体は、他の成熟因子の欠損株から調製した30Sサブユニット生合成中間体とは異なり、リボソームタンパク質S21がほとんど結合していないことを明らかにした。これらの知見は、EraとYbeYとS21との間に何らかの関係があることを示唆したものであり、これまで混沌としていた30Sサブユニット成熟過程を知る上での鍵となることを示唆するものである。
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今後の研究の推進方策 |
各種成熟因子欠損株由来の30Sサブユニット生合成中間体によるEraのGTP加水分解活性を活性化について、in vitroで速度論的解析を行う。一方、Eraと各種成熟因子欠損株由来の30Sサブユニット生合成中間体とEraとの結合を調べる。その際、補助因子としてGTP、GDP、GDPNPを用いる。 YbeYはエンドヌクレアーゼ活性を有しており、17S RNAから16S rRNAへのプロセッシングに関わるとされているが、そのタイミングや関連因子については不明である。本研究では17S RNAから16S rRNAへのプロセッシングとEraのGTPase活性との関係、またそれらと30Sサブユニット生合成中間体へのS21の結合について、in vitroおよびin vivo両面から明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が順調に進展しているため、当初の予定より消耗品の購入が抑えられた。2024年度はin vitroの実験が多くなることから、物品費の支出が増加することが予想される。
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