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2023 年度 実施状況報告書

細胞外小胞 -「界」を超えるコミュニケーションツールからお米を科学する

研究課題

研究課題/領域番号 23K05071
研究機関岐阜大学

研究代表者

山田 名美  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40727319)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードcross-kingdom RNAi / plant microRNA / extracellular vesicles
研究実績の概要

本研究は、日々摂取する食事に含まれる細胞外小胞(Extracellular vesicles, EVs)およびEVsが内包するmicroRNAsを用いて腸内細菌叢に干渉することで大腸がんを制御できるのではないか、という仮説に基づき、立案したものである。本研究は特に、コメに含まれるEVsおよびmicroRNAsを用いて腸内細菌叢へ干渉し、米食によって大腸がんの発生や進行を抑制できるかを明らかにすることを目的としている。
研究計画1年目の本年度は岐阜県産のハツシモ苗を入手し実際に米を育成するところからはじめ、成長過程を経時観察するとともに、秋には市内の複数の農産物直売所より2023年度産ハツシモ玄米を入手した。次にハツシモ玄米からEVs単離方法の確立、およびEVsからRNAを抽出する方法の確立を行った。EVsの単離方法や核酸の抽出方法には哺乳類の細胞や組織からおこなうものと異なる点が多々あり、1からプロトコールの確立が必要となった。抽出したtotal RNAを用いてmicroRNA-seqを行い、コメ由来EVsに内包されるmicroRNAを網羅的に解析した。
並行してコメタンパクに対する抗体の作成を行った。標準植物であるシロイヌナズナに対する抗体は、ヒトやマウスに比べると少ないものの市販されていることが多い。しかしコメに対する市販抗体は非常に少なく、必要な抗体は自作する必要がある。そこで、ヒトでEVsのマーカータンパクとして知られるテトラスパニンのコメにおけるオルソログを探索し、候補タンパクを選定、それに対する抗体作成を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

植物の試料を取り扱うのが初めてということもあり、基本的なプロトコールの確立にやや時間がかかったものの、miRNA-seqや抗体作成などと並行して行ったことでおおむね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

研究2として計画書に記載した「コメ由来EVs/microRNAsの加熱調理・消化液・ヌクレースへの耐性試験」および研究3「コメ由来EVs/microRNAsの腸内細菌叢へ与える影響の解析」を遂行する。

次年度使用額が生じた理由

蛍光顕微鏡用の備品が予定よりも安く手に入ったため。また、網羅的解析を行うサンプル数を絞ったため、経費節約につながった。
次年度の物品費として、消耗品などの購入に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 細胞外小胞の可視化とトラッキング2023

    • 著者名/発表者名
      山田名美
    • 雑誌名

      Medical Science Digest

      巻: 49 ページ: 48-49

  • [学会発表] コメ由来Extracellular vesiclesによるCross-kingdom RNAiを用いた抗腫瘍戦略構想2024

    • 著者名/発表者名
      山田名美、高瀬弘嗣、杉戸信彦、棚橋菜菜美、千田隆夫
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
  • [学会発表] コメ由来Extracellular vesiclesによるCross-kingdom RNAiと抗腫瘍効果解析法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      山田名美、高瀬弘嗣、杉戸信彦、棚橋菜菜美、千田隆夫
    • 学会等名
      第55回日本臨床分子形態学会総会・学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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