本研究では、食資源(農林水畜産物および発酵食品)中のアセチルコリンを、申請者らが開発したLC-MS/MS標準添加法で定量してアセチルコリン高含有食資源およびアセチルコリン摂取目安量を明らかにするとともに、ナスをモデルとして非神経性アセチルコリンの生物学的意義を考察する。 令和5(2023)年度は、キノコ類11品目、野菜類64品目、果物類23品目、合計98品目の定量を完了した。野菜類のうちタケノコにはナスと同レベルの生鮮重量100gあたり8.7mgのアセチルコリンが含まれていた。他のアセチルコリン含量は低く、生鮮重量100gあたりの平均アセチルコリン含量は、それぞれ、キノコ類37μg、野菜類2.4μg(タケノコ除く)、果物類2.6μgであった。キノコ類にはタケノコを除く野菜類と果物類の10倍以上のアセチルコリンが含まれていたが、生鮮重量100gあたり平均アセチルコリン含量3.8mgの国産ナスの1/100程度であった。
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