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2023 年度 実施状況報告書

脂肪細胞と肝細胞における苦味受容体の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 23K05107
研究機関北海道大学

研究代表者

加藤 英介  北海道大学, 農学研究院, 准教授 (40466446)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード苦味受容体 / 肥満 / 脂肪細胞 / 肝細胞
研究実績の概要

本研究では、味覚の感知を担う受容体タンパク質の一種である苦味受容体の遺伝子発現が脂肪細胞や肝細胞にも見られることと、苦味物質が抗肥満作用を有することに着目し、脂肪細胞と肝細胞における苦味受容体の機能解析を行っている。
本年度は、モデル細胞株である3T3-L1脂肪細胞とHepa1-6肝細胞を用いて苦味受容体を過剰発現、もしくはノックダウンした脂肪細胞、肝細胞の作成と機能解析を試みた。3T3-L1前駆脂肪細胞では、遺伝子導入手法としてリポフェクション法、エレクトロポレーション法を試みたが良好な結果が得られなかったため、アデノ随伴ウイルスベクターを用いることで苦味受容体を過剰発現させた。この細胞を分化誘導したところ、コントロール細胞と比べて脂肪蓄積が抑制され、分化マーカー遺伝子発現が低下していたことから分化が阻害されていることが分かった。またshRNA発現ベクターを用いた苦味受容体のノックダウンについても行い、同様に分化誘導が低下することを明らかとした。Hepa1-6肝細胞では、リポフェクション法を用いることで苦味受容体を過剰発現させ、遺伝子発現を解析したところ脂質代謝や糖代謝に関わる遺伝子発現が変化していた。しかしならが、細胞内の脂質や糖には明確な変化が見られなかった。
また、食品由来の苦味受容体アゴニストを探索するため、HEK293T細胞を用いた試験系を作製している。Gタンパク質を恒常発現させた細胞株を作製し、苦味受容体を発現するためのプラスミドベクターを種々調製した。これらを用いてCa2+濃度変化を指標とした試験系について構築の検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、苦味受容体を過剰発現、ノックダウンする方法の確立を目指しており、それらについては達成でき、さらにモデル細胞ではあるが機能解析まで進めることができた。一方、苦味受容体のアゴニスト探索については、系の構築に手間取り探索まで進められていない。一部は良好に進展し、一部は遅れているため、全体としてはおおむね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

苦味受容体を過剰発現、ノックダウンする方法が確立できたため、これらを用いて正常細胞である初代培養細胞に対して適用し、機能解析を計画通り行っていく。
苦味受容体のアゴニスト探索については、系の構築に手間取っているため、より高感度な検出が期待できる化学発光を利用した試験系の構築についても検討することで、問題を解決しようと考えている。系の構築後は予定通り各種の食品成分についてアゴニスト作用の評価を行っていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Association of Bitter Taste Receptors with Obesity and Diabetes and Their Role in Related Tissues2023

    • 著者名/発表者名
      Kato Eisuke、Oshima Shota
    • 雑誌名

      Receptors

      巻: 2 ページ: 251~263

    • DOI

      10.3390/receptors2040017

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 苦味受容体 Tas2r108 の発現調節により 3T3-L1 細胞の成熟脂肪細胞への分化は抑制される2024

    • 著者名/発表者名
      大島 翔汰、佐々木 琴美、鶴間 あい、木村 駿介、加藤 英介
    • 学会等名
      日本農芸化学会2024年度大会
  • [学会発表] 脂肪細胞の分化におけるTas2r108の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      大島翔汰、佐々木琴美、木村駿介、鶴間あい、加藤英介
    • 学会等名
      2023 年度 日本農芸化学会北海道支部/第53 回 日本栄養・食糧学会北海道支部 合同学術講演会

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公開日: 2024-12-25  

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