研究課題/領域番号 |
23K05116
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研究機関 | 青森大学 |
研究代表者 |
福井 雅之 青森大学, 薬学部, 教授 (60392502)
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研究分担者 |
水野 憲一 青森大学, 薬学部, 教授 (90212232)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | アポトーシス / TRAIL受容体 / 不飽和脂肪酸 |
研究実績の概要 |
TRAIL(Tumor Necrosis Factor-related apoptosis-inducing ligand)は、がん細胞特異的に細胞死を誘導できることから、副作用のないがん治療への利用が期待できるサイトカインである。しかしながらTRAILに対して抵抗性を示すがん細胞は多く存在する。乳がん細胞についても細胞株ごとにTRAILに対する感受性が異なることがわかってきた。数種類のヒト乳がん細胞に対してPUFA(不飽和脂肪酸:polyunsaturated fatty acid)やレスベラトロール処理を行い、定量的RT-PCR法を用いて遺伝子発現量の変化を検討した。アポトーシス誘導経路や酸化ストレス誘導に関与する分子の遺伝子発現領に変化が見られた。TRAILはTNF(Tumor Necrosis Factor)スーパーファミリーに属するタンパク質であり、その特異的受容体に結合することで標的細胞にアポトーシスを誘導する。今後は、受容体そのものや受容体下流のアポトーシス誘導シグナルカスケードに関わる分子の遺伝子発現調節およびタンパク質発現調節について詳細に検討していく予定である。特にTRAIL感受性の高い細胞と低い細胞株を用いてアポトーシス関連分子の発現量の違いを詳細に比較することで、TRAIL感受性を誘導するために重要な分子を同定することができれば、TRAIL非感受性がん細胞に細胞死を誘導する方法の開発につながると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、がん培養細胞を用いでTRAIL感受性に関わると予測される受容体、細胞内シグナル分子、アポトーシス誘導因子などの発現レベルを遺伝子レベル、タンパク質レベルで解析中であり、いくつかのターゲットとなり得る分子の同定も進んできており、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果から、PUFAやレスベラトロールによりTRAIL感受性の上昇が誘導可能であることが判明してきたが、その応答はがん細胞の種類により異なることもわかってきた。今後、PUFAやレスベラトロールがどのようにBcl-2ファミリータンパク質の発現調整を行っているのか、そのシグナル伝達機構を詳細に解析していく。また、これによりPUFAやレスベラトロールによりTRAIL感受性を誘導できるがん細胞と誘導できないがん細胞の違いを明らかにすることができれば、がん細胞の特徴によって効果的な治療方針の立案を提供できるようになると期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は遺伝子の発現を調査した為、タンパク質発現を調べる実験の進行と実験に必要な試薬の購入に若干の遅れがある。次年度にはタンパク質発現の実験も予定通りに進めるので、残額は次年度の助成金とともに抗体などの実験試薬及び物品の購入に充てる。
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