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2023 年度 実施状況報告書

IRE1がアブラナ科植物の花粉や種子の形成に果たす役割の解明と物質生産への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K05156
研究機関龍谷大学

研究代表者

三柴 啓一郎  龍谷大学, 農学部, 教授 (70390888)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード小胞体ストレス応答 / 遺伝子導入 / セイヨウアブラナ / 種子 / シロイヌナズナ / ゲノム編集
研究実績の概要

本研究では、植物発達、特に種子形成におけるIRE1のセンサー非依存的な活性化機構の仕組みや役割について、ire1変異体や改変IRE1を導入した組換え体の解析により解明し、これにより得られた知見を基にしたIRE1制御による物質生産への応用を目指している。本年度は、GFPを導入した組換えシロイヌナズナの選抜や、セイヨウアブラナやBrassica rapaへの遺伝子導入系の確立を目的とした研究を行った。
自殖性の油脂植物であるBrassica rapa品種‘Yellow Sarson’は二倍体であるため、複二倍体であるセイヨウアブラナと比較してゲノム編集等によるIRE1遺伝子の機能解析や導入遺伝子の影響の調査が容易になる可能性が期待できる。そこで‘Yellow Sarson’への遺伝子導入を目的とした効率的な再分化条件を検討した。その結果、Zeatinを添加した再分化培地でシュート分化が認められたため、今後、この培養系を用いて遺伝子導入を試みる予定である。また、セイヨウアブラナやBrassica rapaのIRE1遺伝子をゲノム編集により改変するためのベクター構築を試みた。IRE1AあるいはIRE1BのcDNAや遺伝子配列をデータベースより取得し、それぞれの機能ドメインを標的とするgRNA配列をU6プロモーター下流に挿入した。さらに、これら配列を含む領域をGateway反応によりpKIRベクターに導入した。今後、構築したバイナリーベクターをアグロバクテリウムに導入し、セイヨウアブラナやBrassica rapaへのゲノム編集を試みる予定である。シロイヌナズナについては、小胞体残留シグナル配列を持つGFPを発現する野生型とire1変異体の組換え植物を作出した。そこで今後はこれら組換え植物の種子組織におけるGFP発現の調査を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

非モデル植物はモデル植物と比較して組換え体の獲得が困難で時間が掛かるため、本年度ではまず、非モデル植物の遺伝子導入系の確立に取り組んだ。基本となる組織培養系については先行研究等を参考に検討したが、その結果、胚軸組織片からの再分化系を見出すことができた。今後は遺伝子導入やゲノム編集を進めていきたいと考えている。一方でシロイヌナズナの実験については期待通りに進めることができなかったたため、今後はシロイヌナズナを用いた実験にも注力していきたいと考えている。

今後の研究の推進方策

今後の研究は、小胞体残留シグナル配列を持つGFPを発現する野生型とire1変異体の組換え植物を用いて種子組織でのGFP発現の解析を行い、センサードメイン非依存的なIRE1活性化の生理機能についての知見を得る。また、本年度に構築したゲノム編集ベクターについて、セイヨウアブラナやBrassica rapaへの導入を試みる。選抜された植物のIRE1遺伝子を解析し、IRE1機能欠損変異体を作出する。

次年度使用額が生じた理由

研究補助員の雇用が予定よりも遅れたため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 図書 (1件)

  • [図書] エッセンシャル植物育種学 農学系のための基礎2023

    • 著者名/発表者名
      國武久登、執行正義、平野智也、神戸敏成、貴島祐治、三吉一光、大谷基泰、八幡昌紀、星野洋一郎、中野優、佐々英徳、三柴啓一郎、山本伸一
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      講談社
    • ISBN
      978-4-06-530815-8

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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