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2023 年度 実施状況報告書

イネ及びコムギの葉身塩低移行性と葉身塩耐性選抜のためのリーフインキュベーション法

研究課題

研究課題/領域番号 23K05185
研究機関島根大学

研究代表者

小葉田 亨  島根大学, その他部局等, 名誉教授 (60186723)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードイネ / コムギ / 塩濃度 / Naイオン / Clイオン / 耐塩性 / インキュベーション
研究実績の概要

従来耐塩性の異なると見なされる6品種の葉片塩濃度反応と塩水灌漑下での葉への塩の取り込みを測定した。耐塩性弱のコシヒカリ、耐塩性強のNonabokuraとIR64、コシヒカリにNanobokuraとIR64の遺伝子断片を導入した同質遺伝系統SL506とSL2007,インデイカの塩感受性品種IR29を使用した。短日要求度の高いNanobokuraは日長処理した。
8Lのポットに湛水栽培して穂揃い期に止め葉中央部を20℃暗黒下で0,10,20,30 mMのNaCl溶液に浸けて、一週間インキュベートした。その結果、全ての品種で培地塩濃度が高くなるほどSPAD値が低下する傾向があったものの、SL506SLとSL2007では低下が少ない傾向にあった。さらに塩濃度を広げて確認する必要があった、
0.5Lのポットに主稈と強勢な分けつ3本を残し湛水条件で栽培した。穂揃い期からポットを0、25、50、100 mMの水に浸けた。穂揃い後20日に止め葉を採取し、葉身先端から基部までSPAD値を測定後、葉全体から直径5mmのディスクを5枚打ち抜きバイアルに入れた後、80℃で乾燥後、無イオン水を加えて95℃で5分加熱してイオン抽出した。液のNa、Cl、Kイオン濃度をイオンメーターで測定後単位葉面積当たりのイオン量を求めた。その結果、60 mM位まで土壌塩濃度が増加してもIR29を除いて塩濃度はほとんど増加しなかった。それ以上の濃度でNonabokuraのNaイオン濃度の増加は最も少なく、IR64が最も大きかった。ただし、IR29では高い塩濃度ではそれほどイオン濃度が高くなかった。他の品種はこれらの中間であった。このことから土壌塩類濃度をさらに高い範囲に広げて反応を見る必要があった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イネにおける実験計画は概ね達成できた。ただし、植物体全体の葉身の緑葉維持状態の測定は計測が混み合い十分対応できず手法を改良して次年度実施を計画している。コムギにおける葉身インキュベーションのための実験準備、現地調査について栽培と調査準備を依頼しており次年度において実施予定である。

今後の研究の推進方策

イネにおいて葉身インキュベーションと灌漑水の塩濃度をさらに広い範囲に広げて実施し、品種間差の安定性を明らかにすると共に、多品種の測定のために品種特性を最もよく発現する塩濃度を特定する予定である。画像解析による葉身の緑葉状態の観察を試みる。また、コムギについてはトルコ共和国アダナ市チュクロバ大学農学部の圃場において現在栽培依頼しており葉身インキュベーションを実施すると共に、近隣の塩害値におけるコムギの土壌塩類濃度、葉身の塩濃度の現地調査を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験準備の打ち合わせのための渡航をリモートで行ったため海外旅費が繰り越された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] チュクロバ大学農学部(トルコ)

    • 国名
      トルコ
    • 外国機関名
      チュクロバ大学農学部
  • [学会発表] 小葉田 亨、平井 儀彦、Barutcular Celaleddin2024

    • 著者名/発表者名
      ネおよびコムギの塩類に対する子実成長反応および土壌塩類低吸収の登熟への貢献
    • 学会等名
      日本作物学会第257回講演会

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公開日: 2024-12-25  

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