研究課題/領域番号 |
23K05193
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
山川 博幹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 室長 (10370537)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | サツマイモ / バレイショ / 貯蔵 / 糖化 / QTL |
研究実績の概要 |
1)サツマイモ塊根の貯蔵による糖化の遺伝的制御因子を探索するため、糖化しやすい粘質品種「あまはづき」と糖化しにくい粉質品種「ベニコマチ」の交配後代F1集団126系統を圃場栽培し、1か月貯蔵した塊根の蒸しいも肉質を調査した。粘質~粉質の多様な肉質を示したため、肉質と相関する蒸しいも断面の浸潤面積割合を指標として高次倍数体ゲノムに適用可能なpolyploid QTLseq解析を実施した。その結果、「あまはづき」の第5染色体と第7染色体に粘質化QTLを検出し、2つのQTLで「あまはづき」の粘質を概ね説明可能と判断された。 2)バレイショ塊茎の低温貯蔵による糖化の遺伝的制御因子を探索するため、糖化しやすい青果用品種「キタアカリ」とほとんど糖化しない油加工用品種「ホワイトフライヤー」の交配後代F1集団245系統を圃場栽培し、3か月間低温貯蔵した塊茎のグルコース含量を測定した。1mg/gFW~8mg/gFWの多様な系統が出現したため、グルコース含量についてpolyploid QTLseq解析を実施した。その結果、「キタアカリ」第4染色体の蓄積量を増加するQTLなど、比較的効果の小さいQTLが多数検出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サツマイモとバレイショの両方で、貯蔵による糖化に関わるQTLが複数検出できた。
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今後の研究の推進方策 |
サツマイモ塊根で効果の大きなQTLが少数検出されたため、QTLの有無によるデンプン代謝酵素等への影響を調査する。バレイショについては、効果の小さいQTLが多数検出されたため、その有意性を調査する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたゲノムシーケンスのうち一部は、他の研究課題と共通の材料であったため、そちらの予算で取得した。このため当初計画より安価に実施できた。残余額は次年度実施予定のQTLの効果検証に使用する。
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