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2023 年度 実施状況報告書

カーネーションの早晩性制御遺伝子の同定による早生化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K05214
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

八木 雅史  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 上級研究員 (40391403)

研究分担者 宇野 雄一  神戸大学, 農学研究科, 教授 (90304120)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードカーネーション / 開花制御
研究実績の概要

園芸生産における早生性は収量を決定づける重要な形質である。カーネーションにおいても、優れた品質を維持しながら早生形質の品種改良が着実に進んできた。本研究では、これまでに明らかにした早晩性の制御に関係していると考えられるゲノム領域の詳細化や遺伝子の機能解析から、早晩性を制御する原因遺伝子を明らかにし、過去に育成された品種、系統の変異を解析することで、カーネーションの早生化がどのような遺伝子変異により進んできたか明らかにする。
今年度は、公開された染色体レベルに収束したカーネーションのゲノム配列情報の中から、これまで明らかにした早晩性の制御に関係していると考えられるゲノム領域周辺の配列情報を取得した。その中から、更新したアノテーション情報を手掛かりに、開花制御に関連すると推定される4つの遺伝子を抽出した。そのうち、DcFT1と命名した遺伝子については、早生品種の生育時の発現上昇が晩生品種に比べて早いことを確認した。また、日長を延長した24時間日長の開花促進条件下では、日長時間に応答して発現量が早期に上昇することを明らかにした。その他、遺伝解析を行うための集団として、早生品種「カーネアイノウ1号」および種子系カーネーションの交雑後代を得て、F1実生を展開し、開花期を調査した。また、種子系カーネーションを用いた遺伝子組換えによる機能解析系を確立するため、カルスからの最適な再分化条件を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

早晩性に関連している候補領域の中から開花制御に関わると推定される候補遺伝子を抽出し、日長処理時の開花反応との関連を明らかにできたこと、種子系カーネーションを用いた機能解析系を実施するための基盤となるカルスからの最適な再分化条件を明らかにすることができたことから、おおむね順調に進展したと評価した。

今後の研究の推進方策

染色体レベルのゲノム情報が相次いで公開されたことから、早晩性の異なる品種間のリーシーケンス情報等を活用した解析を進めるとともに、長日処理時の開花促進との関連を明らかにするために、日長処理条件ならびにサンプリング部位を拡大し、候補遺伝子の抽出を進める。

次年度使用額が生じた理由

早晩性を制御する遺伝子としてDcFT1以外の候補を絞り込めなかったため、次年度以降のRNA解析、リシーケンス解析費用として使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] ナデシコ属植物の春化応答に関わるFLCオルソログの解析2024

    • 著者名/発表者名
      八木雅史, 小西晴香, 小野凌汰, 藤本龍, 岡本花弥, 小山竜平, 宇野雄一
    • 学会等名
      園芸学会令和6年度春季大会
  • [学会発表] Functional characterization of DcFT1, an ortholog for the flowering locus T gene in carnation (Dianthus caryophyllus L.).2023

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Yagi, Kaya Okamoto, Haruka Konishi, Kanako Shintaku, Ryohei Koyama, Masaru Higashiura, Yuichi Uno
    • 学会等名
      AHC2023
    • 国際学会
  • [学会発表] Plant regeneration from leaf segments using a seed propagation type of carnation (Dianthus caryophyllus L.)2023

    • 著者名/発表者名
      Zhongjian Li, Masafumi Yagi, Ryohei Koyama, Yuichi Uno
    • 学会等名
      AHC2023
    • 国際学会
  • [学会発表] カーネーションの開花関連遺伝子FTの機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      新宅佳那子, 岡本花弥, 八木雅史, 小西晴香, 東浦優, 小山竜平, 宇野雄一
    • 学会等名
      神戸大学研究基盤センター若手フロンティア研究会2023
  • [学会発表] ナデシコ属植物の春化応答におけるFLCの役割2023

    • 著者名/発表者名
      小野凌汰, 小西晴香, 八木雅史, 岡本花弥, 藤本龍, 小山竜平, 宇野雄一
    • 学会等名
      神戸大学研究基盤センター若手フロンティア研究会2023
  • [学会発表] Towards the molecular breeding of Carnation (Dianthus caryophyllus)2023

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Uno
    • 学会等名
      Shandong International Conference on Flower Science and Technology Cooperation

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公開日: 2024-12-25  

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