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2023 年度 実施状況報告書

微胞子虫による野外鱗翅目昆虫個体群の制御と種多様性への影響

研究課題

研究課題/領域番号 23K05276
研究機関九州大学

研究代表者

青木 智佐  九州大学, 農学研究院, 教授 (20264103)

研究分担者 和佐野 直也  九州大学, 農学研究院, 学術研究員 (00469850)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード野外鱗翅目昆虫 / 微胞子虫 / Nosema sp. / Cystosporogenes legeri
研究実績の概要

本研究は、野外鱗翅目昆虫個体群における微胞子虫保有率とその多様性、および鱗翅目昆虫種間での交叉感染試験によるそれら微胞子虫の病原性・病原力、感染増殖および伝播を調査することにより、自然宿主個体群での宿主-微胞子虫の関係を明らかにするとともに、それら微胞子虫が非自然宿主の鱗翅目昆虫の種多様性に及ぼす影響を評価することを目的としている。
まず、九州大学・伊都キャンパス(福岡県福岡市西区元岡)とその周辺地域(福岡県糸島市)、群馬県および長野県において、モンシロチョウPieris rapaeをはじめとする野外の鱗翅目昆虫6科約30種を採集した。採集した昆虫個体を滅菌蒸留水中で磨砕し、磨砕液を光学顕微鏡下400倍で観察して微胞子虫胞子の有無を調査した。明確に判定できないサンプルについては、磨砕液からtotal DNAを回収し、マルチプライマーPCR法により微胞子虫を検出した。その結果、3科8種の鱗翅目昆虫に微胞子虫の感染が認められた。モンシロチョウでは、採集地にかかわらず高頻度で微胞子虫胞子が検出され、宿主1個体あたりの微胞子虫増殖率は非常に高いものであり、複数の微胞子虫種の重複感染の可能性も示唆された。
次に、分離した微胞子虫株胞子からゲノムDNAを抽出後、SSU rRNA遺伝子をターゲットとしたuniversal primer pairを用いてPCRを行い、得られた増幅産物の塩基配列データを基に微胞子虫種を同定した。その結果、ナミアゲハPapilio xuthusからの微胞子虫分離株はNosema sp.、ムラサキシジミNarathura japonicaおよびベニシジミLycaena phlaeas由来の微胞子虫1分離株は同じCystosporogenes legeriと同定された。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画の3項目のうち、①野外鱗翅目昆虫からの微胞子虫の分離、および②分離した微胞子虫の同定について、複数の微胞子虫分離株を得るとともに、それらのうちのいくつかは同定済みである。また、③交叉感染試験に供試するための微胞子虫胞子サンプルを確保し、順次進めることができる状況が整っていることから、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

引き続き、野外鱗翅目昆虫個体群における微胞子虫保有率とその多様性を探る目的から、①野外鱗翅目昆虫からの微胞子虫の分離、および②分離した微胞子虫の同定を実施しながら、すでに調製済みの微胞子虫分離株については、非自然宿主の鱗翅目昆虫への交叉感染試験を進める。

次年度使用額が生じた理由

本年度、野外鱗翅目昆虫を室内飼育するにあたっては人工飼料の利用を計画していたが、実際には各種食草で対応したため、計上していたその費用が未使用額として生じた。次年度、同経費の一部に充てる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 野外鱗翅目昆虫に蔓延する微胞子虫病とその宿主個体群への影響2024

    • 著者名/発表者名
      青木智佐・和佐野直也・西 大海
    • 雑誌名

      昆虫と自然

      巻: 59 ページ: 36-38

  • [学会発表] ベニシジミ由来微胞子虫の単離とカイコに対する病原性2024

    • 著者名/発表者名
      青木智佐
    • 学会等名
      令和6度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
  • [学会発表] ナミアゲハとNosema bombycisのゲノム比較から見い出された新知見2024

    • 著者名/発表者名
      和佐野直也
    • 学会等名
      令和6度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会

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公開日: 2024-12-25  

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