研究課題/領域番号 |
23K05292
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
三瓶 由紀 京都産業大学, 生命科学部, 准教授 (00469743)
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研究分担者 |
原 祐二 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (30422455)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 世界農業遺産 / 人的ネットワーク / 地域生産物 / ランドスケープ変容 |
研究実績の概要 |
本研究は、和歌山県有田・下津の世界農業遺産への認定を目指し、2つの日本農業遺産認定地域を融合させた「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」を対象に、有田・下津の各地域で、従来の産地を融合した新たな地域の自然共生システムの構築における世界農業遺産制度の可能性と課題を検討することを目的としている。 そのために、1)人的ネットワークそれによる交流・情報共有の変化では、ステークホルダーへの半構造化インタビュー調査により、みかん栽培に関する既存の人的ネットワークの概要把握・可視化を行う。2)ランドスケープ変容の把握は、1950年から現代における空間情報についてGISを用いて時系列で詳細に地図化し、ランドスケープの成立・変遷過程について各地域の独自の展開と地域間の共通点、を整理する。 今年度は、1)人的ネットワークそれによる交流・情報共有の変化については、行政担当者等への半構造化インタビュー調査を実施した。同じく和歌山県に位置する世界農業遺産である、みなべ・田辺梅システムの申請時との違いも踏まえ聞き取りを行った結果、申請段階における行政の役割や世界農業遺産推進協議会や人々のつながりの変化を把握することが出来た。この結果をもとに、キーとなるステークホルダーを抽出し、引き続きインタビュー調査を進めていく。 また、2)ランドスケープ変容の把握については、下津地域を対象に、当該地域のみかん栽培の拡大前の1960年と、1970年、2020年の3時期について、空中写真をベースにGISを用いて土地利用図を作成した。また有田地域についても、現地踏査等を行いつつ、2020年データについて入力を開始している。今後は、作成されたデータを用いて、当該地域特有のランドスケープの変遷過程について解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、1年目から2年目にかけ、1)人的ネットワークの把握については、ステークホルダーへのインタビュー調査を、2)ランドスケープ変容の把握については、GISデータの整備を予定していた。現時点で、主要なステークホルダーへのインタビューは実施済みであり、今後の実施の目途もついている。ランドスケープ変容の把握についても、下津地域のデータ整備は終了しており解析を実施できる状態になっている。今後は有田地域のデータの作成と並行して、解析を進める予定であり、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、1年目の調査で得られた結果をもとに、ステークホルダーへのインタビュー調査と、GISでのデータ作成・解析を進めていく予定である。また、3)農業遺産認定申請に向けた活動の把握と事例との比較、については、みなべ・田辺梅システムの事例などのデータ整理を行いつつ、「京の伝統野菜」を対象に地域戦略について京都府農林水産部流通・ブランド戦略課、京のふるさと産品協会へのインタビューを実施する予定である。また、スグキ農家への聞き取り調査により、アンケート調査に向けた情報収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査実施にあたり、現地調査の人員が必要となったため、2ライセンスの購入を予定していた解析ソフトの1ライセンス分の購入を取りやめ、現地調査費用(国内旅費)と人件費に充当するなど変更が生じたため。これらは、次年度、和歌山県立図書館等、郷土資料の複写や購入の費用に充てる予定である。
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