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2023 年度 実施状況報告書

大陸沿岸性遺存魚類の実態解明:資源管理と保全を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 23K05354
研究機関倉敷芸術科学大学

研究代表者

柳下 直己  倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 教授 (50434840)

研究分担者 山野 ひとみ  倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 准教授 (70811983)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード大陸沿岸性遺存 / 瀬戸内海 / 有明海 / 水産資源管理 / 保全
研究実績の概要

ヒラ,コウライアカシタビラメ,およびセトダイの 3 種について,瀬戸内海や有明海から標本を採集した。これら 3 種について,ミトコンドリア (mt) DNA 調節領域 (CR) 全塩基配列を決定するための PCR プライマーを開発し,塩基配列を決定した。ヒラでは,瀬戸内海から 38 個体,有明海から 46 個体,および八代海から 20 個体を採集した。本種のmtCR 全塩基配列を決定するための PCR プライマーはすでに開発されていたが (Wang et al. 2016),PCRを数回に分けて行う必要があったため,1 度の PCR で全塩基配列を決定可能なプライマーセットを新たに開発した。開発したプライマーセットを用いて,瀬戸内海産 26 個体,有明海産 24 個体,および八代海産 8 個体の全58 個体について,mtCR 全塩基配列 (1146 bp) を決定した。Wang et al. (2016) における中国大陸沿岸の集団の塩基配列データを含めて予備解析した結果,遺伝的多様性(ハプロタイプ多様度)は中国大陸沿岸の集団に比べ有明海産集団で低く,八代海産集団と瀬戸内海産集団でやや低かった。コウライアカシタビラメでは,瀬戸内海から 25 個体と有明海から 30 個体を採集した。本種の mtCR 全塩基配列を決定するための PCR プライマーは開発されていなかったため新たに開発した。開発したプライマーセットを用いて,有明海産 24 個体について mtCR 全塩基配列 (662bp) を決定した。セトダイでは,瀬戸内海から 24 個体を採集した。本種についても mtCR 全塩基配列を決定するための PCR プライマーは開発されていなかったため新たに開発した。開発したプライマーセットを用いて,これら 24 個体の mtCR 全塩基配列 (734bp) を決定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

水揚げ量が少ない等の理由により,標本の入手が遅れている。コイチについては,まだ瀬戸内海産と有明海産の標本を入手できていない。セトダイについては,有明海産の標本を入手できていない。また,ヒラとコウライアカシタビラメを含む全 4 種について,他海域産の個体が入手できていない。全 4 種について,mtCR 全塩基配列を決定するための PCR プライマーの開発に成功しており,標本が入手できれば滞りなくデータ収集することができる。

今後の研究の推進方策

コイチでは瀬戸内海産と有明海産の標本を,セトダイでは有明海産の標本を速やかに採集する。ヒラとコウライアカシタビラメを含む全 4 種について,他海域からも標本を採集する。新たに得られた標本について引き続き mtCR の全塩基配列を決定し,コウライアカシタビラメについてはマイクロサテライト遺伝子座 (SSR) の多型についての分析を開始する。データが揃った種から解析を行い,学会発表と論文出版を行う。

次年度使用額が生じた理由

十分な個体数を採集できなかったため,標本の採集と分析にかかる諸費用の一部を次年度に繰り越した。次年度は速やかに標本を採集し,mtCR 全塩基配列の決定を進める。また,コウライアカシタビラメについては,SSR の分析を進める。

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公開日: 2024-12-25  

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