研究課題/領域番号 |
23K05360
|
研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
名波 敦 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), 主任研究員 (90372060)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 産卵集群 / ブダイ科 / フエダイ科 / ニザダイ科 / 産卵行動 / ディスプレイ |
研究実績の概要 |
八重山諸島近海で、魚類の産卵集群形成と産卵行動を調べた。ブダイ科魚類については、ナンヨウブダイ、スジブダイ、ブチブダイで集群形成の時刻を明らかにし、産卵行動を確認した。ナガブダイ、イチモンジブダイ、ヒブダイは、通常の海域より高密度な群れを発見し、オスのメスに対する特異な遊泳行動(繁殖のためのディスプレイと考えられる)を確認できた。フエダイ科魚類の産卵集群の形成パターンを、インターバルカメラ撮影により試み、群れの形成日が月周リズムと同調することを明らかにした。ニザダイ科魚類のテングハギについて、産卵集群と考えられる高密度な群れを確認した。アミメフエダイとニセクロホシフエダイの産卵集群の知見を原著論文として公表した。ブダイ類の産卵集群に関して、一般市民向けのシンポジウム(西表石垣国立公園シンポジウム)で紹介し、産卵集群の保護に関する生息場所保全の重要性について情報発信した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象であるブダイ科、フエダイ科、ニザダイ科魚類について、産卵集群の知見を収集できつつある。この中には、これまで産卵集群の形成が未発見であった種が含まれている。初年度で得られた知見(群れの形成場所、形成時期、形成時刻)により、2024年度に向けて効率的な計画が立案可能と考えられた。また、原著論文やシンポジウムでの発表など、アウトカムも得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度で得られた知見をもとに、研究対象であるブダイ科、フエダイ科、ニザダイ科魚類について、産卵集群の知見を拡充する。具体的には、これまで産卵集群の形成が未発見であった種を重点的に調べ、新規の知見として蓄積する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
産卵集群の形成は月周リズムと大きく関係し、特定の月齢で調査を行う必要がある。しかし、2023年度は悪天候等の影響で、予定していた調査日に実施できない場合があった。2024年度は、天候等が許す限り、魚類の産卵予想日に合わせた調査を実施する計画を立てている。
|