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2023 年度 実施状況報告書

生命の連続性を保証する生殖腺の多機能性

研究課題

研究課題/領域番号 23K05402
研究機関広島工業大学

研究代表者

三浦 智恵美  広島工業大学, 環境学部, 教授 (90518002)

研究分担者 三浦 猛  愛媛大学, 農学研究科, 教授 (00261339)
アリ ムハッマドファリズザヒール  愛媛大学, 農学研究科, 助教 (90972068)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード生殖腺 / 繁殖 / 酸化ストレス / 免疫賦活化
研究実績の概要

生殖細胞には外部刺激に対する強固な防衛メカニズムが存在する。また、生殖腺には生殖細胞を守り育てるだけではなく、個体の大きさをコントロールし、さらに個体自体の生体防御機構をコントロールすることにより、自身の繁殖を有利に導く機能が存在すると考えられる。本研究は魚類を実験モデルとして、生殖腺の持つ多機能性を詳細に解析し、生命の連続性を途切れさせないための生殖腺の機能を明らかにすることを目的とした。
本年度は、魚類生殖細胞の酸化ストレスへの防御と生殖腺由来機能性多糖の個体免疫系への機能を明らかにするために、実験魚として雄ウナギを用いて実験を行った。ニホンウナギ(Anguilla japonica)に生殖腺刺激ホルモンを投与し精子形成の進行を人為的に誘導し、各発達段階の精巣、肝臓、筋肉を用いて抗酸化酵素スーパーオキシドジスムターゼの測定を行った。また、各発達段階の精巣、肝臓、筋肉から多糖を単離後、マウスマクロファージRAW264 cellを用いた免疫活性の指標としての一酸化窒素活性を測定することにより、免疫賦活作用を測定した。その結果、抗酸化酵素は、精原幹細胞中に多く存在し、精子形成の進行中には低値を示した。また肝臓と筋肉では精子形成に伴う変化は見られなかった。一酸化窒素活性の値は肝臓と筋肉に比べて精巣で高い値が得られたが、精子の出現と共に高くなる場合と変化のない場合と低くなる場合があり不安定であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、生殖細胞の防御機構の解析と、生殖腺の個体免疫系への作用機構の解析を行う予定であった。実験動物に雄ニホンウナギを用いて精子形成過程での抗酸化酵素と一酸化窒素活性を測定することができた。酸化ストレスからの防御機構と個体免疫への関与が確認され、概ね計画にそって研究が進んだ。

今後の研究の推進方策

今後は、得られたニホンウナギの結果の再現性を求めると共に、ニホンウナギだけではなく、世代交代が早く、実験動物として扱いやすいメダカ(Oryzias latipes)やゼブラフィッシュ(Danio rerio)などの小型魚類を用いて詳しい解析を行うなど、本実験の計画にそって研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

初年度の実験のため、実験に時間がかかり何度も繰り返すことができなかった。そのため得られた成果を学会等で発表するには、まだデータが不十分であったため旅費支出が計画通りにはならなかった。また、所属の変更が決まり実験器具や実験動物の移動の準備等にも時間がかかったこともその理由である。
次年度は、サンプル等の保存のための保冷庫や魚類飼育実験にかかる消耗品類および生殖腺由来機能性多糖の遺伝子解析のための試薬等の購入に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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