研究課題/領域番号 |
23K05449
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
仲村渠 将 琉球大学, 農学部, 准教授 (70537555)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 水路 / PIV |
研究実績の概要 |
水路と計測機材から成る実験装置の構築に取り組んだ。 水路はポンプなどで水を流し込んで流れを作るために用いられる。アクリル部材を組み立てて水路を製作した。水路断面は長方形(幅100mm、深さ145㎜)で長さ180cmである。水路の壁面にレゴ(R)ブロック(レゴ社)を隙間なく敷き詰めることができることを確かめた。 計測機材は3成分PIVと濁り測定装置から成る。PIVは非接触型の流速測定装置であり、流れを可視化して流速を計測するための常套手段である。今回、既に所有していた2成分PIVを拡張して流速を3成分で測定することができる3成分PIVの主要機器を整備することができた。前倒し支払いを利用して3ヵ年分の助成金額の全額をこのPIVの拡張に費やした。ハードウェアは2023年9月に納品され、ソフトウェアは2024年1月に納品された。元々の2成分PIVはハイスピードカメラ1台で流れを撮影するため、カメラの光軸に垂直な平面内の流速成分しか求められなかった。流速は3次元の現象であり、流速を3成分で求めない限り、流れの正しい把握には至らない点が本研究における2成分PIVの欠点であった。流速を3成分で求めるには2台のカメラを用いたステレオ撮影と流速3成分用にソフトウェアのアップグレードが必要となる。そこで今回、ハイスピードカメラを1台追加し、ソフトウェアをアップグレードすることによって3成分PIVに必要な主要機器を整備することができた。この3成分PIVによって、3次元の流れ領域にセットした2次元検査平面内の各点の流速3成分を求めることができるようになった。3成分PIVの機材を仮設置して動作点検も兼ねて操作を練習した。なお、校正機器の自作が済んでいないため、実験データを取得する段階には至っていない。水槽で利用していた自作した濁り測定装置を水路にセットアップし直した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験装置の組立てを計画どおりに進めることができたため。また、PIVの操作練習にも取り組むことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本格的な実験データを取得するために必要な3成分PIV機材の校正システムを構築する。具体的には2つのハイスピードカメラのステレオ配置の最適化と同期撮影装置の製作に取り組むのだが、専用機材を自作してステレオ配置を最適化し、また、マイコンを利用して同期撮影装置を自作することになる。 校正システムの構築後、実験パラメータの調節も兼ねて実験全体を練習し、データ処理の方法を決めたり、研究の今後のステップアップに向けての課題点を整理したりする計画である。 準備を整えた後、本格的に実験を進める。水路壁面の様々な凸凹模様を試行錯誤的に実験し、速やかに沈降するフロックを形成させる攪拌流れを生み出す凸凹模様を探り出す。また、その最適な撹拌流れを解析し、凸凹模様とパラメータGの水理学的記述を試みる。
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